2005/12/31

今年も終わり&第九

「お笑いライヴ」観てきました(現在23:20)、面白かった。…年の区切りってただ人間が決めたものだから、特番をたくさんやったり、年が明ける瞬間に騒いだり、初日の出に向かって拝んだりするのは、なんだかちょっと不思議な感じがするものだ。所詮どこまでも精神的なものだからなあ。

年末といったらやっぱりこれかなと、引っ張り出して聴いたのは定番中の定番、ベートーヴェン「交響曲第九番(EMI)」。演奏はこれまた最強のフルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団。この盤はいわゆる「史上最高の第九」。そこらでやっている演奏会ライヴとは比べ物にならない、言葉で言い尽くすことのできない隅々から満ち溢れるオーラは、聴き始めて何年経っても飽くことはない。リマスター盤が安いので、第九を買う時はぜひこの盤をどうぞ。この演奏聴いてしまうと、どうも他の演奏を聴く気になれないのだ…。

ここを見ていただいている方々、そうでない方々、来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2005/12/30

携帯電話を機種変更

約3年間連れ添った携帯電話を機種変更。家族そろってauユーザーなのだが、WINには目もくれずに三洋製CDMA1Xの最新機種に即決。携帯電話はできるだけシンプルなものがいい。…漢字変換の速度が劇的に早くなっていて驚いたり、CCDから160x240LCDへのメモリ転送の凄さ(専用のハードウェアでも入っているんだろうか?)に頭を悩ませたり。

以前の携帯電話に入れていた、ナイマン「トニーへの歌」第一楽章の自作着メロが再生できなくなっていて残念。データのフォーマットの世代交代も激しいようだ。つくばに戻ったら再転送しなければ。

オーレリアの新譜

オーレリアサクソフォン四重奏団の新譜「FUGUE IN C OF DOG(Challenge Classics CC72148)」をようやく入手。このページでも抜粋を公開している(→http://www.geocities.jp/kuri_saxo/fugue/fugue.html)だけあって、数ヶ月前から心待ちにしていたものだ。イヌを真正面から捉えたジャケットがかわいい。

気合の入った二枚組みで、CD1はバッハ「フーガの技法」をカノンも含めてほぼ網羅、CD2は15人の作曲家に委嘱した新作のフーガを集めた、といった内容になっている。

CD1は、同一企画としてニューセンチュリー四重奏団のCDが記憶に新しいが、解釈の違いを楽しむのが一番だろう。どちらも技術的に全く問題なく演奏されているのは間違いないので、甲乙は付け難いところ。あえて違いを言えば、NCSQはどこまでも端正な演奏であるのに対して、ASQはやや即興的なアンサンブルのスリルを楽しんでいるような演奏、だろうか。

その意味ではCD2のほうがオーレリアとしてのアイデンティティがよく表れていて、面白い。一曲目の「Lessons of the Master」からしてフーガの技法の主題が断片的に聴こえるパロディ・ミュージック。贅沢にも、15人の作曲家による個性の違いを堪能できる豪華なディスクである。オーレリアも、ここぞとばかりに作曲者の意図を表現しようと奮闘している。

2005/12/27

サクソフォーンフェスティバル2005 概観

昨日はパルテノン多摩でのサクソフォン・フェスティバル。当初の目的は違うところにあったが、結局全部聴いてきてしまった。ここ三年間は立て続けに見に行っているが、サクソフォン好きには堪らないですね…今年も良かった(詳しいコメントは後日)。年末ということもあり、前年、前々年とは比べ物にならないほど客入りも上々だった。関係者が多いせいか、演奏によって盛り上がりが違うのは致し方ないかな。

管打楽器コンクールの入賞者演奏と現代邦人作品演奏をメインプログラムに据え、サクソフォーン協会会員や音大のラージアンサンブルなど、普段は聴けないプログラムを\3,000で堪能し放題。大変に価値があると思う。来年は二日間(12/23,24)に渡って開催されるらしい、これは楽しみだ。

印象に残った演奏を無造作にあげていくと、洗足のダフニス、宗貞氏のルクレールにおけるフレージング、ラッシャーに捧げられたというクノール、プッスール、板橋区演奏家協会のアグレッシブなクープラン、ウズメにおける須川さんの技術、キャトルの貫禄!の演奏、貝沼氏のデニゾフ、原氏のミステリアス・モーニング、田村氏のファジイ・バードのアドリブ、といぼっくす、フェスティバルオーケストラのキューバ序曲…などなど。

コンクール入賞者を筆頭とした若手勢は、若干テクニックに不安を感じる場所が散見されたのが残念だった。有名な曲が多かっただけに、余計にミスが目立つのは仕方ないのだろうか。対して、ベテラン勢は随分とのびのびと貫禄の演奏をしていたように見えた。演奏についてのコメントなど自分が言えた立場ではないですが(汗)、素直な感想ということで(苦しい…)。

「北山研究室(→http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~eeakita/kitayama/kita-j.html)」で有名なサクソフォン奏者の北山敦康氏に師事されている学生の方と、少しだけお話しすることができた(メールありがとうございました)。携帯電話やメールやインターネットがあるおかげでこのようなコミュニケーションもとることができるのは、数年前までは考えられなかったことだ。

2005/12/25

コロムビアから!!

アマチュアのサクソフォン奏者として有名なThunderさんがマルセル・ミュール四重奏団のLPを入手したそうです(→http://thunder-sax.cocolog-nifty.com/diary/2005/12/qlp_e962.html)。なんとデザンクロ、リヴィエ、ピエルネ、アブシル入曲!!こっ、これは聴きたい。

日本コロムビアの国内盤か…。ずっとErato盤を探していたからな、穴場だった…。フランスのサクソフォンもやっぱりいいなあー(あれ?イギリスは?)。

デファイエ四重奏団によるピエルネ、デザンクロ、リヴィエの録音(EMI)の発売に先駆けること7年、といったところか。なお、アブシルはルデュー四重奏団のCD(OPUS)を持っているが、明快で楽しい曲だ(余談だが、CeBeDeMの出版譜は味わいがあって好き)。

アンコン予選通過

吹奏楽連盟のアンサンブルコンテスト、なんとか茨城県代表獲得。東関東大会は千葉県だそうです。デザンクロの一楽章ということで、三楽章に比べて曲自体のパワーなんかの面で不安だらけだったが、良かった。

一般部門の演奏をいろいろ聴くことができた。打楽器?三重奏「オゾン」とか、トルヴェールfeat.本多俊之の「スペイン」とか、まるでコンボ編成の「A列車で行こう」とか、斬新な試みがいろいろ(笑)。しかし「マウンテン・ロード」のカットは…うーん。

明日はサクソフォン・フェスティバル!

2005/12/16

コンサート行けず…

昨日はダニエル・ケンジー(キエンツィ)氏の来日公演だったようだが、すっかり忘れていた。小串俊寿氏のHappy Sax Concertも昨日だったっけ。それにつくばエクスプレスが完成したといえど、つくば←→東京往復\2,300は少々痛い。

どちらのコンサートも忘れていたのには理由があって:住まいのインターネット環境がどうにも劣悪で、現在接続すら不可能な状況なのだ。おかげでコンサート情報も容易に入手できず…。一度快適なインターネット環境に慣れてしまうと、どうしても不便に思えてしまうのは人間の性かな。

サクソフォーンフェスティバルの詳細が出始めているようだ。メインプロは管打コンクールの入賞者演奏と、日本人作曲家作品の特集。ラーションが聴ける!さらに協会員による演奏ではトラクシォン・アヴァンがプッスール「禁断の園への眼差し」を、キャトル・ロゾーが照屋正樹「Hommage a Ravel」を、須川さんが「ウズメ」を、…と興味深いプログラムの数々。キャトル・ロゾーは実は生演奏を聴いたことないのでかなり楽しみだったりする。明日は四重奏の先生レッスン。

2005/12/15

「イギリスのサクソフォーン」ページ構想

イギリスのサクソフォン界に注目している。手元にあるサクソフォン関連のCD(たぶん120枚くらい)からイギリスのサクソフォンに関係するものをピックアップして、イギリスのサクソフォンに関するページを作成しようと思っているところ。日本人サクソフォン奏者でイギリスに留学経験をもつ方がほとんどいらっしゃらないためか、イギリスのサックスに関しては日本人は無知にも等しい。

10枚ほど選び出したアルバムをざっと眺めると、レパートリーを国内の作曲家に委嘱したり、自分で作曲したり、即興を重視したり…と、オリジナリティ溢れる活動が展開され、それが品質良く実を結んでいるのが判る。どの奏者もジョン・ハールの下、十分な研鑽を積んでいるためか、技術的にはまったく問題なく聴けるのが嬉しい。「志と技が一体になる」とはこういうことなのだろう。

そんなイギリスのサクソフォン界を掘り下げて、ぜひとも日本に広く紹介したいのだ。

四重奏を組んでいる関係上、実際の演奏でもなにかできることがあるかもな。フィトゥキンの「STUB」とアンドリエセンの「Facing Death」、どちらも大変クールな作品だ。四重奏で日本初演してみようか…。

2005/12/10

EPIC2014

たまには音楽ではない話題を。大学の集中授業で紹介されていた「EPIC 2014」(日本語字幕つき→http://www.probe.jp/EPIC2014/)というFlashムービーをご紹介する。

CERN研究所におけるWWWの発明以来様々に変革してきたインターネット。そのインターネットが将来どのような変貌を遂げるかを、Googleとamazon.comを中心に予見するというショート・フィクションである。Google、amazon、blog(Weblogger)、mixi(friendster)、そのどれにも触れたことのない人なんて、この時代にあってはほとんどいないだろう。インターネットユーザーにはぜひ一度観ていただきたい内容だ(専門でない方でも分かりやすい…)。

この内容に携帯電話の影響力についての考察を入れたら、さらに面白みが増したかも…というのはあくまでも私見。出来がいいだけになかなか発想が膨らんでしまう。ヴィジュアルやサウンドエフェクトも秀逸で、すばらしい。

2005/12/09

雲カルがグラス初演

とある、大変貴重な録音をいただきました。本当にありがとうございます。

2006/2/24の埼玉県和光市の尚美学園管弦楽団の演奏会で、雲井雅人サックス四重奏団がフィリップ・グラスの「サクソフォーン四重奏協奏曲」をやるそうです。サクソフォーン四重奏とオーケストラとの共演というだけでも貴重な機会であるのに、しかもグラスとは!日本初演であることはおそらく確実。ミニマル・ミュージックの中でも屈指のカッコよさなんですよね、この曲。ぜひ聴きに行きたい。

それにしても雲井雅人サックス四重奏団の、既存のサクソフォーン四重奏のレパートリーを根底から覆していくような積極的な活動には頭が下がる思いだ。いくらアメリカ留学を経験した雲井氏、佐藤氏がいるとはいえ、ともすれば名前を聞いたことすらない曲を高いレベルで聴衆に紹介し、日本のサクソフォン界に浸透させているのは、この大量生産・大量消費の時代にあって奇跡にも近い(それだけこの四重奏団が奇跡的なメンバで構成されているということなんだろう)。商業路線に乗らないことをやって消えていった団体が、今までいかに多かったことか。

吹奏楽でサックスをやっている現代の中高生に、ぜひ「マウンテン・ロード(CAFUA CACG-0039)」「チェンバー・シンフォニー(CAFUA CACG-0039)」を手にとってじっくり聴いてもらいたい。確かに自身も「マウンテン・ロードってなに?名前も聞いたことないよ…」と思いつつ渋々買ったCDだったが、その録音の隅々にみなぎる強い意思に一発でノックアウトされた。現代のサクソフォンの在り方として、雲井雅人サックス四重奏団の一連の姿勢はある種の理想形であると思う。

2005/12/06

移調作業完了

シューベルト「アルページョーネ・ソナタ」のEbサクソフォン用への移調、とりあえず完了しましたのでPDFで公開しています。ピアノ譜は非商用目的に限って再配布可能なものをWerner Icking(→http://icking-music-archive.org/)からお借りしました。

さて、次は何を編曲してみようか。コレルリやヴィヴァルディで有名な「ラ・フォリア」とか、バッハのオルガン前奏曲集とか、候補はいくつかあるのだが…さて。2005/12/06

2005/12/04

The SAX 特別号

「The SAX 特別号~美しき映画音楽の世界~」入手。なんと、雲井雅人氏と栃尾克樹氏が各ソロ三曲とデュオ三曲をCDに吹き込んでいるという豪華付録つき(というか出版のメインはこちらのCDのほうなのではないか?楽譜もソロパートしか付属していないし…)。テーブルトークやインタビューなど興味深く読んだが、雑誌本体にももう少しコダワリを見せてくれても良かったかも。というわけで、メインと思われるCDを聴いてみた。

雲井氏が吹き込んだ三トラックは、誤解を恐れず言えば「ミュールのような音がする」。ピアノの柔らかい音色とあいまって、なんだか昔の録音を聴いているみたいだ。「あふれる歌へのオマージュ」のときとはまた違う、素朴ながらも強い意志を秘めたような素敵な音色。「ニューシネマ・パラダイス ~愛のテーマ~」を聴きながら映画の最後の場面を思い出して危うくホロリとしそうになったぞ。雲井氏の音色へのこだわりが徐々に実を結び始めている様を堪能することができた。

栃尾氏はなんと映画「電車男」の実際のサウンドトラックにも参加しているようで、雲井氏とはまた違った独自の美音が耳に心地よい。若干細めの線ながらも透明感のある清潔な音色で、こちらも聴きものだ(欲を言えば、ソプラノで収録してほしかったかも)。栃尾克樹氏といえばアルモの印象が強いが、どちらかというと忘れられないのが1998年のシドニーオリンピック。シンクロデュエット・フリールーティンにおいて日本がロシアに肉薄し、銀メダルを獲得したときの競技音楽「MATE」において多重録音でバリトンとアルトを持ち替えて吹いているのだ。~せつない思い~と題された中間部はアルトとハープがメロディを奏でる、そこでの美しい音色の印象が強い。ちのみにこの音源ビクターから「AQUA DREAM(VICG-60453)」というCDで出版もされている。

余談だが、本屋に注文したところすでにアルソ出版に特別号の在庫はないとのこと。つまりあとは店頭在庫のみとのことで、買おうと思っている向きは早めに探すことをお勧めする。私は版元在庫なしと判った途端慌ててYAMAHAに電話してほかの支店から取り寄せてもらい、事なきを得た。

Olson III

テリー・ライリー「Olson III」という作品がある。なんでも1967年にストックホルムのNacka音楽学校の音楽教育プログラムの一環としてライリーに委嘱された作品だそうで、大規模なバンドと合唱にリードソプラノサックスが加わるという編成の、50分に及ぶ曲。たまたま新宿のタワレコで初演が収録された「Olson III(organ of corti 3)」を発見、思わず購入してしまった。

聴いてびっくり、CDを再生したとたん「to begin, to begin, to begin, to begin, to begin...」。なんかイッちゃってますな、これは。

「to begin to think about how we are to be」を一定部位で区切りながら50分間延々と繰り返す合唱団と、ハ長調でミニマル・ドライブするバンド、そこに絶妙に?絡むライリーのソプラノサックス。最初(おそらく)何がなんだかわからず演奏している人たちもだんだんと熱狂を帯び、最後には興奮のあまり叫びだす(^^;。最終部に数分に渡って聴かれる狂気とも言うべきサウンドは、凄い。

うーん、こんな音楽もあるんだなあ(という感想しか出てこない…)。話のネタにもどうぞ。ずいぶん変なCDが書架に増えてしまった。

2005/12/01

デザンクロ「レクイエム」のスコア

デザンクロ「レクイエム」のオーケストラ版スコア(出版はDurand)を入手。通常編成のオーケストラからトランペット、ホルンを省き、コル(Selmer製ピストン式ホルン、クリュイタンスのパヴァーヌのあれです)やバソン、ハープを加えた珍しい編成。ちなみに、世界唯一ともいえるデザンクロの作品集「Requiem(Hortus 009)」(絶品!)に収録されている「レクイエム」の録音は、オルガン伴奏へのリダクション版である。ローマ大賞受賞作「Symphonie」と一緒に、オーケストラでNaxosあたりが録音してくれないものか…。

近代フランス作曲家のうち、弦楽器や管楽器を多用した「音色の色彩感」を重視した流れに対して、デザンクロが複雑に組み合わされた「和音の色彩感」を実践した作曲家という流れを汲んでいることを、ご存知だろうか。ルーベー音楽院での勉学の後、パリ・コンセルヴァトワールでもプリミエ・プリを獲得、さらに両音楽院で教鞭を執ったという半端でないバックグラウンド。そこから生み出される音楽…どの瞬間においても、エスプリの火花が絢爛と散る美しさよ。

昨日は先生による四重奏のレッスン。和声感、音色、メロディと、さまざまな観点から見ていただいた。音を出すのが難しい管楽器、その名演奏家は名指導家でもある。充実々々。

gooでブログを検索してみたら知り合いのものが出るわ出るわ。五個くらい見つけたかな。

2005/11/26

合わせづらい…

日本人て、16分音符が四つ並んでいて二個目から動き出すフレーズ(左図)が苦手だと思う。イベールやクレストンなど様々な曲に散見されるが、なかなかに吹きこなすのが難しいようである。現在四重奏で取り上げている曲もこのフレーズの嵐で、直前のタイを吹いた後、16分音符の動き出しが揃わないことこの上ない(汗)。録音して聴いてみても一目瞭然(私信:今日のも)。

原因を考えてみた。16分音符の動き出しは早めになることも遅めになることもあるので、直前の音符の歌いすぎ…とかではないのだろう。高速なテンポの場合、説得力あるヴィブラートをかけつつさらに拍感を出すのが難しいのかも。

そうなると、やはり日本人特有のONでリズムを感じることに原因があるのか:とある打楽器奏者が日本の米社会とリズムの感じ方を結びつけて、日本人が西洋の音楽をやるときの弱点について紐解くのを聞いたことがある。田植えのときに発生する「よいしょ」というステップを受け継いだ私たちの遺伝子は、音楽においても必然的にリズムを表拍で感じるのだとか。対して西洋では鍬を使って耕すときの鍬を振り上げる動きから、裏拍でリズムをとるのだとか。西洋の音楽をやるときに出現するフレーズの大半が裏拍でリズムを取ることを前提とした構造になっており、よく日本人が西洋の音楽を演奏して「?」と思われるのは往々にして拍感に問題があるからだという。

ということは、このフレーズの場合は、タイに含まれた16分音符一個目の音の縦を、頑張ってメトロノームと合わせようとしているのがマズイのか。三個目の16分音符を意識して合わせようとすれば上手くいく…のか?…うーん、いろいろ考えたけど結局よく分からない。もしどなた定石知っている方がいたらぜひ教えてください。

2005/11/25

ジョン・ハールの協奏曲集

しばらく聴いていなかったイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」を聴くために引っ張り出してきたジョン・ハール演奏の「Saxophone Concertos(EMI 7243 5 72109 2 8)」(いつもはミュールの演奏を聴くのが好きだ)。

とにかく巧い。どんな難所もスラスラと演奏し、あまりに巧すぎてキメや盛り上がりがどこかわからなくなるほど。最終部付近のカデンツァなど、アルトサックスでDouble High-Eをぴたりと当てる凄まじいヴィルトゥオジテ。この技術力をもってすれば伝統的なスタイルの流麗な演奏も可能なのだろうが、あえてそこに新しい(難しい)解釈を持ち込み、さらにそれを難なく吹きこなしてしまうジョン・ハールの一連のアプローチは、曲によっては大変効果的なものだ(確かにドビュッシーではあまり成功しているようには聴こえない)。バックのマリナー管弦楽団も抜群のサポート体制。ホールの響きのせいか、細部が見えない録音が少し残念。

しかし、併録されたデイヴ・ヒースの「Out of the Cool」での、CD中最も説得力ある演奏を聴くに、ハールのスタイルは90年代のイギリスの土壌で変革されつつあったフランスのクラシカルサクソフォンとイギリスのライト・ミュージックの混血児であるのだろうな…。彼のネオ・クラシカル的な作品を演奏するときの存在感の大きさは、世界随一といっても過言ではないだろう。

ジョン・ハールに関しては、語りつくせないほどに思い入れが大きい。またつらつらと書くかも。が、住まいのネットワーク異常で自宅から更新できなくなってしまった…。

2005/11/18

最近のコンサートや管打など…

更新が滞っていたのは期末試験ゆえ。三学期制の大学は期末試験の回数が多いのがつらい…。本職は学生なので、ちゃんとこなしました。

ここ最近あったモレティのコンサート、須川さんのコンサートどちらもそれぞれの良さがあったようだ。聴きに行きたかった!サクソフォン関連のコンサートは、一回聴き逃すと次聴くことができるのが○○年後ということが珍しくないので、時間さえなければできるだけ足を伸ばしたいところ。次の催しは…なんだろ?

管打楽器コンクールは林田祐和さんが優勝。Google検索をかけるとご本人のブログ(→http://blog.so-net.ne.jp/hayashida-sax/が見つかったりして面白い。現在は東京芸術大学の院にいらっしゃるようだ。コンクールはこれひとつではないが、この「日本管打楽器コンクール一位」というのはある意味大変なステータス…今後さまざまな機会で林田さんの名前を見ることになるのだろう。早く音を聴いてみたいものだ。手っ取り早くサクソフォーンフェスティバル聴きに行こうかな。

2005/11/13

トニー聴き比べ

消防隊音楽隊の賛助で演奏してきた。もちろん正装して吹いたのだが、なんかこういう制服で吹くのって楽しい(ギャルドを髣髴とさせるような)。調子に乗ってK氏と一緒に消防車の前で写真を撮ってもらいました。

吹奏楽団の二つ下の代の指揮者が決定したようで、大変だとは思うが頑張ってほしい。個人的に期待大。
ナイマン「トニーへの歌」の聴き比べがちょっとブーム。CD架から見つけ出したのはApolloSQ、HarmoSQ、HardiSQ、DeltaSQ、4uatre、QuartzSQ。基本的に各楽器のソロが主体となって構成されている曲なので、奏者四人のそれぞれの「歌」をじっくり聴くことができるのが興味深い。第一楽章はやっぱりApolloSQのキチガイさがなんともかっこいいし、二楽章は松雪先生とか二宮和弘氏とか日本人奏者の演奏がしっくり。第三楽章、第四楽章のさらなる緩楽章ではカンタービレの技量や曲への没入度が裸にされるのがおもしろい。

2005/11/12

アルディの新譜

訳あって、アルディサクソフォンクヮルテットのアルバム「アメイジング・グレイス(Meister Music MM-1173)」を最近よく聴いている。手持ちの100枚を超えるクラシックサクソフォンのCDの中でも、技術的には相当インパクトの強い一枚。隅々までコントロールしつくされた演奏が、ともすれば気持ち悪いほどだ。大和田さんの跳躍時に起こる独特の発音は少々苦手なのだが、全体的には驚くほどに均一な音色を聴くことができる。

私の周りではこのアルバムに対するそれほど評価が高くないが、実際の譜面を前にしながら聴くとこの演奏の真価というか異常さがよく分かる。リヴィエ「グラーヴェとプレスト」のプレスト部における、極限に精確なまでのフレーズのバトンリレー。リヴィエは確かに容易なモードで書かれているけれど、ここまでの演奏はほかに見当たらない。デザンクロ第一楽章など普通の録音なら第一主題の跳躍に苦労している様子が聴かれるのに、ここでのコントロールはどうだろう!

フレーズの歌い方や強烈な個性があるというわけではないが、忠実な演奏を進めるという点ではこの録音の右に出るものはない。逆にナイマンやサンジュレのような曲だとちょっとつまらないかな、という気はしますが。ナイマンはソロのメッセージ性をもっと聴きたいし、サンジュレは何か煌きがないと…。

2005/11/11

アルト、フーガ、アルペジョーネ

昨日アルトを吹いてみたら、テナーの音が出なくなって焦った。やはり違うセッティングで鳴らすのは難しいか。テナーのセッティングは「CS80 C* - 3.5 Reed」だが、どちらかというと自分のスタイルはアルトを吹くときの「S90 180 - 3 Reed」に合っているのかもしれない。

諸事情あってバッハ「フーガの技法」サクソフォーン四重奏版パート譜も公開し始めた。スコアに全面的にチェックを入れたので結構な作業量になってしまったが、なんとか完成。

シューベルト「アルペジョーネソナタ」のEbサクソフォン用ソロ譜も、もう少しで完成。移調作業自体は何とか済んだのだが(合計で600小節!)、クレシェンドやスラーの入力がなかなか大変。この曲、結構なブームのようで、雲井氏や栃尾氏がCDに入れたり、須川さんもサクソフォン+チェロ+ピアノというトリオの編成にてリサイタルでしばしば取り上げているようだ。

2005/11/06

デファイエQのCBSソニー盤入手

デファイエ(ドゥファイエ)四重奏団のアルバム(CBSソニー SOLN2)入手。リュエフ、ティスネ、パスカル入曲の有名?な四重奏のLP。早速図書館で検盤のつもりで聴いてみた…パチノイズがたまに入るが、それなりで良かった。

なぜか高校一年生のときにパスカルの四重奏曲に早速はまってしまった身として、このLPを聴くことができたのは大変な幸せである。当時発売されているパスカル入曲のCDなど無く、アンサンブルコンテストの録音を聴いてカッコイイ曲だなあと認識したのだ。その後忘れもしない高校二年生の春、トルヴェール・クヮルテットのアルバム「マルセル・ミュールに捧ぐ(東芝EMI TOCE-55284)」が発売。早速買って聴いたのがやはりパスカルのトラックだった。繰り出される安定した技巧に仰天した覚えがある。

その後ほかの演奏も聴いてみたくなって探し回ったもののパスカルはなかなか見つからず、ルデューサクソフォン四重奏団の二枚(Opus 91 2408-2, Polymnie POL490 115)を入手。こちらもモレティ、ルデューはじめフランス人演奏家の血を感じ取ることのできる豪華なCDで、愛聴盤となっている。

そんな中いつしか存在を知ったデファイエ四重奏団のLPは噂だけ聴いて何年間も探し回っていたのだが、今年の頭に遂に音源を入手したのだ。あるアマチュア演奏家の方がLPからCD-Rに落とした音源で、やっと聴けるという嬉しさと演奏のすばらしさにあまりに感激したものだ(このページを開設する原動力にもなった)。そんな経緯でさらにこのたび実物を入手したので、ある意味大変に感慨深い。

熱帯JAZZスペシャルセッション feat. D.V.

六本木スイートベイジル(→http://stb139.co.jp/)で行われたJVC Jazz Nightの第3夜、「熱帯スペシャルセッション feat.Dave Valentin」行って参りました。一流のジャズプレイヤーの演奏に酔いしれた至福の4時間であった。

近藤和彦の強烈なプレイに開いた口が塞がらなくなくなったし、カルロス菅野が刻みだすパーカッションのビートも最高。しかしなんといってもあの強者ぞろいセッションメンバーを前にして全てを喰い尽してしまうラテン・フルーティストMr. Dave Valentinの恐ろしいまでの存在感を間近で体験できたのがが一番の得物だったか。演奏、パフォーマンス全てが「アメリカン!ニューヨークスタイル!」という感じで、彼がそこにいるだけで進行メチャクチャ、演奏はどこまでもヒートアップしてゆく。休憩後にValentineが再び登場したときの客席の嬉しそうな顔々といったら!楽しくてしょうがないライヴだった。

お値段高めでしたが、相応の価値以上があるコンサートでした。たまには違うジャンルに触れてみるのも素敵な体験ができるきっかけになるようで。

2005/11/05

筑波大学吹奏楽団に寄せて

早めに書いておこうかな。…この「ダイアリー」は内輪ネタをほとんど書かないのだけれど、本日ばかりはお許し願います。…。

演奏会が終わって涙が溢れてくるなんて、吹奏楽やっていてそんな感覚が味わえるなんて、昔はこれっぽっちも思っていなかったけれど。現にたくさんの涙を流した自分がいる、一緒に泣いた仲間がいる。感謝の気持ちから、引退の寂しさから、ともに音楽できた喜びから。

おいしいお酒を飲む自分なんて、二年前は想像もできなかったけど。みんなで一緒にお酒を飲んで楽しめた自分がいる、一緒に楽しんだ仲間がいる。「やったぜ!」という充実感から。

大学入ったころは、吹奏楽に冷めた視線しか送ることのできなかったのだけど。コンクールや定期演奏会、吹奏楽にアツくなれた自分がいる、一緒にアツくなった仲間がいる。みんなで一つのものを創り上げようという気持ちから。

筑波大学吹奏楽団に寄せる思いは数知れず、またそれぞれがさらに大きく。この先の人生でこんな充実した体験をすることはもうないのだろう。アンコン、演奏旅行、新歓、53定、コンクール、夏合宿、54定…皆とともに突っ走ってきたこの一年間の思い出深い日々は、深く心に刻まれて死ぬまで忘れることはない。そしてまた、いつか、どこかで、この素敵な仲間たちと再会して、おいしいお酒を飲みながらこの思い出を語り合ってみたいな。

2005/11/04

筑波大学吹奏楽団第54回定期演奏会

定期演奏会本番が終了。あまりに充実した演奏会。始まる直前のドキドキ、演奏中の…、終わった直後のあの感覚、全てが夢のようだ。メンデルスゾーン「フーガ」のフェルマータとか、フランス組曲の四楽章とか、舞子のグランディオーソとか、音楽の響きにぞくぞくした瞬間がたくさんあった。来場されたお客様、そしてこの時間を創りあげるために尽力された演奏者、係、スタッフの方々に感謝いたします。

一、二限は自主休講したが、感慨に浸る時間もなく計算機システム実験のつづき(今の一番の杞憂かも)をやっている自分がいるのが不思議ではある。

演奏会はまだ終わってないよ、打ち上げまでが演奏会だよ!(私信)。というわけで、今日の20:30からの打ち上げも楽しみです。

2005/11/01

演奏会宣伝

あやまって以前のエントリを消してしまいましたので、再度お知らせ。フランス組曲の指揮振ったり、プレコンサートでメンデルスゾーン「プレリュードとフーガ,Op35-5」を吹いたりします。お近くの方はぜひどうぞ。

筑波大学吹奏楽団第54回定期演奏会
11/3(木曜日・祝日)18:00開場18:30開演
つくば市ノバホール(つくばエクスプレスつくば駅下車徒歩三分)
高校生以上当日500円
第一部 ~クラシック作曲家による吹奏楽~
メンデルスゾーン:管楽のための序曲、プロコフィエフ:マーチ・スパルタキアーダ、レスピーギ:ハンティング・タワー、ミヨー:フランス組曲
第二部 ~ポップスステージ~
バードランド、マンテカ、スペイン、マンボ!×3、クインシージョーンズメドレー

2005/10/28

デファイエのイベール、復刻盤

かつてEpicから出ていたジャン・フルネ指揮ラムルー管弦楽団のイベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ(独奏はダニエル・デファイエ)」。今日ネットをぶらぶらしていたらHaydn Houseというサイト(→http://www.haydnhouse.com/)でCD化されているようだ。びっくり。

2005/10/27

黛敏郎作品集

いまさらながら、「日本作曲家選輯 - 黛敏郎(Naxos 8.557693J)」を聴いた。演奏は湯浅卓雄指揮のニュージーランド交響楽団。黛敏郎の数ある作品の中から「シンフォニック・ムード」「BUGAKU」「曼荼羅交響曲」「ルンバ・ラプソディ」が収録されている。

黛敏郎の名前を初めて知ったのが「トーンプレロマス'55」だったが、強烈なビートを刻みながら進行する派手な音楽がなんともお気に入りで、知った当時はよく聴いていた覚えがある。マンボNo.5の引用に度肝を抜かれたのも懐かしい話だ。3年前の岩城宏之指揮東京フィルハーモニー交響楽団の黛敏郎作品コンサート、聴きたかったなあ(受験期だった 汗)。

「シンフォニック・ムード」の第二楽章、「そう、これこれ!」と膝を打ちたくなるような多種多様な音色、リズムの洪水。曲を聴くだけでもオーケストラの音色の多様性の希薄さをカバーしようとし、吹奏楽編成の作品を多く残しているのも納得である。演奏もなかなかに良く(少々弱音部でのリズムが崩れ気味だが)、熱狂的なまでのテンションの高さを随所で発揮している。タメの取り方が自然なのは湯浅さんに起因するところが大きいのだろう。

「ルンバ・ラプソディ」は世界初録音だそうだが、弦楽器によるオスティナートがかっこいい。今まで知られていなかったのが不思議なくらい…と思ったら伊福部昭のライブラリにずっとしまわれていて、最近発掘された作品なのだそうだ。

2005/10/24

四重奏レッスン

一昨日の四重奏レッスンや合奏のレッスンは良かった。一時間見てもらうというだけでここまで変わるかという充実感、プロの音楽家はこんなにも偉大なものなのか…久々に足元にも及ばない感覚を味わいました。三曲見てもらったうち二曲が古典のメンデルスゾーン作品だったというのも僥倖であった。四重奏はまた引退後にゆっくり見てもらおう。

1970年代にCBSソニーから発売されたドゥファイエ(デファイエ)四重奏団のアルバムで、リュエフ、ティスネ、パスカル入曲の赤ジャケットLPをYahoo!オークションで落札。そもそもこの「ダイアリー」を書き始めるきっかけになったのがこのLPであるから、実物を入手できるのは楽しみです(リュエフ、パスカルはダビングしたMDで聴いたことがある)。

ジョン・ハールの四重奏団!

ジョン・ハール・サクソフォーン四重奏団(John Harle Saxophone Quartet)の音を初めて聴いた。あるサイトの試聴コーナーで、デザンクロ「四重奏曲第2楽章」、ピアソラ「ボーデル1900」、ワイル「三文オペラの音楽」がそれぞれ一分ほど聴ける。下手に構えて聴くと飲み込まれてしまいそうな豪快な音楽の流れと確かなテクニック。特にピアソラの内声の強烈さはセンセーショナルだなあ。

この団体、いまいち活動状況が分からないのだが、ハール贔屓の私にとってはぜひまとまった録音を聴いてみたい団体のひとつ。メンバーは、ソプラノ:ジョン・ハール、アルト:サイモン・ハラーム、テナー、クリスティアン・フォーシャウ、バリトン:アンディ・フィンドン?(アポロ四重奏団のティム・レッドパスじゃないのか?)。現在のイギリスのトップ4を集めたような豪華な四重奏団だ。

2005/10/21

アルペジョーネ移調中

シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」の編曲進行中。シューベルトの楽譜は(当たり前ながら)パブリック・ドメインになっているため、インターネット上を探せば容易に楽譜が入手できるのだ。そうやって入手したものを参考にしながら、EbとBb管用に移調作業を進めているところ…完成したら公開いたします。ピアノ譜は、非商用で再配布可能なPDFフォーマットのものをやはり発見したのでそちらをお借りする予定。

折りしも、雲井雅人氏と栃尾克樹氏のサクソフォーン演奏によるすばらしいアルバムが比較的楽に購入できる今日このごろ。栃尾氏のアルバムは試聴できたが未購入で、アルモ「フランスのエスプリ」と同時に購入する予定。早く聴いてみたいものだ。

昨日は久々に夕方の予定が空いたので、別の曲の編曲作業。なんとか2:00ころに終わったが、朝の練習には大遅刻してしまった(ゴメンナサイ)。

2005/10/17

オーレリアQ新譜情報

オーレリアサクソフォン四重奏団(Aurelia Saxophone Quartet)のサイト(→http://home.hetnet.nl/~elisabeth67/)がリニューアル!最近活動の様子が伝わってこなかったのでうれしいことだ。しかも、なんとバッハ「フーガの技法」を中心にした新アルバムが今年の9月にリリースされていた模様。「フーガ」というコンセプトのもと、GoldsteinやDrammがフーガを作曲?!まだ詳細はわかりませんが、これは注目盤でしょう。

リバーダンス!

「リバーダンス」良かった。ステージが狭いとか、DVDとの違いとか、日本人プレイヤーの背が低いぞとか、まあ細かいツッコミはあるかもしれないが(ビジネスですから)、そんなのも忘れて最後の曲が終わった瞬間に思わずスタンディング・オーヴェーションしてしまった。とにかく、誰が観てもかっこいい。久々に理屈抜きの感動と興奮を味わった感じだ。自分がやる音楽もそんな表現ができるように近づくといいなあ。遠い道だが…。

五列目の下手ブロック真ん中寄りの位置で観られたのは幸いだった。様々なパフォーマンスは下手・上手・中央でキメが入るのだが、お陰で下手でのキメが眼の前!!リバーダンス・オーケストラもけっこう近くに見えたりして迫力満点であった。

帰りに渋谷のタワレコでS&Yさんと偶然合流。6人でつくばに帰還した。

2005/10/13

100の質問

「吹奏楽・クラシック系サックス奏者への100の質問」というものに答えてみました(→こちら。テキストファイルです)。Kreuzさんのブログ「SaxLife」(→http://saxist.blog18.fc2.com/)で掲載されていたものをお借りしました。

20分くらいで意外と早く書き終わってしまったが、じっくり考えたらまた別の答えになるかもしれない。サックス吹きの方はぜひ…なかなか面白いです。

2005/10/12

四重奏協奏曲集

「SAXILAND(Corelia CC 802874)」はディアフェーズ四重奏団がフォーラム・シンフォニエッタの伴奏で演奏した四重奏+オーケストラという珍しいCD。デュボワやカルメルといったこの形態ならばおなじみの作品や、吹奏楽の世界でも有名なフェランの委嘱作品(世界初録音)が収録されている。

同じようなコンセプトのCDに、キャトゥル・ロゾーの「25年の軌跡(Brain OSBR 17060,17060)」に収録された東フィルとのライブ版があるが、デュボワとカルメルがまるで同じ曲には聴こえないのが面白い。キャトゥル・ロゾーが厚みのある弦楽器の上で丁丁発止の演奏を繰り広げたかと思えば、ディアフェーズは精密に揃った薄めの伴奏の上で、これまた精密に揃ったアンサンブルを創ってゆく。私はキャトゥルの豪快さと分厚い弦の響きが堪能できる演奏が好きだが、どちらが良いかは好みだろう。ブートリの「スケッチ」のエスプリの再現は見事だし、世界初録音のフェラン「SAXILAD」も軽快なメロディを持つ佳作。

オーケストラと四重奏のバランスの良さは特筆できよう。レコーディングの写真を見ると、四重奏はストリング群から少し離れたところで別マイクで録音しているようだ。ここまで精密なバランスを取ったレコーディング・エンジニアに拍手。若干音場が遠い気もするが…。

2005/10/10

学園祭終了

三日間にわたる学園祭が終わった。感慨に浸る暇もなく明後日提出のレポートを書いているところ。自身の本番が三回。そのうちの一つが雨で流れたり、乗る予定ではなかった吹奏楽団の宣伝演奏に飛び乗ったり、ゲリラライブに15分遅れで参加できなかったり(残念!)、アンサンブルやったり、スカやったり、Bistro Ossoというバーで友人とたくさん飲んだりと、忙しい三日間を過ごした。

テナーで参加していた一年半続いたスカバンド「Crackajack Hornfreak」は今回のステージをもって解散。最後のステージをとても楽しく過ごせた。解散というのはやはり寂しいものである。ところでD門バンドは続くのだろうか?乗ってはいないが、はらぺこバンドの今後のステージはいつなのか?OBバンドは?謎は深まるばかりだ(笑)。

アンサンブルコンサートでは八ヶ月のお蔵入りを経て織田英子「東回りの風」を披露。本当は今年の一月に発表するはずだったが諸事情でずっと演奏できずにいたものだ。客入りがなかなかで、拍手もたくさん戴いた。一年生たちのクヮルテットがピアソラ「タンゴの歴史~ナイトクラブ1960」をやっていたが、なかなかに上手いです。油断できないなこりゃ。

2005/10/08

懇親会で演奏

昨夜は日本動物学会第76回つくば大会(→http://www.biol.tsukuba.ac.jp/zsj2005/)懇親会でのクヮルテット依頼演奏。「G線上のアリア」等よく知られているレパートリーをいくつか演奏してきた。しかし絨毯の床+高い天井+1000人=まったく響かないため、妙に疲労してしまった。まあ面白かったです。なんだかんだ一番ウケがよかったのは「ギリシャ組曲」だったような。

パーティ会場で食事を取れたのは幸いだった。いやあ、ずいぶん豪華な食事であること。

2005/10/06

マウスピースとリガチュア

学園祭が近い。屋外のステージにいくつか出演予定があるが、蓋を開けてみれば初日&二日目は雨の予報。どうなることやら…。

夏までは「CS80-C*, 3.5」だったが、ここ最近ずっと「S90-180, 3」で使っている。大体の音域においてコントロールがしやすく、しなやかな音色が出るのだ。リガチュアはBG Tradition。中学生のころはみんな「C*, 3.5」一色だったような気がするが、ここ最近180に3て増えてますね。実際、吹奏楽団のテナーサクソフォンは5人中4人が「S90-180, 3」という有様。

普段の状態「Selmer Reference54, Selmer S90-180, Vandoren Reed 3, BG Tradition」を最近パートの人に吹いてもらう機会があったが、随分抵抗が軽いようで驚かれた。一般的にはこのセッティングってどうなんでしょうね。サクソフォン吹き全員の統計とかとったら面白いかもしれないな。

2005/10/03

雲カルの新譜

そろそろパソコンを修理に出そうかと思い、出す前に一度試しに起動してみたらなぜか起動してしまった。久々に自宅のパソコンから更新。しかし、相変わらずハードディスクドライブから異常シーク音が聞こえる上に、起動まで10分弱もかかるという不調っぷり。バックアップをとったらやはり修理に出すことを検討しよう…このままでは楽譜書きどころかレポート作成もままならない。

雲井雅人サックス四重奏団「チェンバー・シンフォニー」は予想通り素晴しいレコーディングで、最近特によく聴いている。整った四人の音色から生み出されるモーツァルトの「教会ソナタ」におけるサウンドが印象に残る。先日の演奏会でも感じたが、古典的なレパートリーにアプローチする際にはこのようなサウンドがぴたりはまることが多いのではないか。ミニマル・ミュージック風のケックレー作品は演奏者の楽しそうな様子がディスクを通して伝わってくる。続く「チェンバー・シンフォニー」第四楽章に渦巻く狂気が、直後のヴィヴァルディと極端な対を成す様は見事というほかない。

2005/10/01

いまさらではありますが

アルフレッド・リード氏が亡くなったことを知ったのは9/19だったか。ここ数年、依然として健在との様子が伝わってきていただけに突然の訃報に驚いた。実はリードの作品を吹いたことは殆どないのだが、「音楽祭のプレリュード」「エルサレム賛歌」「アルメニアン・ダンス」は、それぞれ良く覚えている曲だ。高校の吹奏楽部で吹いた「音楽祭のプレリュード」、県の高校生選抜バンドで吹いた「アルメニアン・ダンス パート1」。それに大学に入学して初めて吹いた「エルサレム賛歌」。

さらう段階から実際の演奏までに経るプロセスは、どの作品においても一筋縄ではいかない大変なものだったが、演奏会にこぎつけるたびにレベルアップしていく自分がいたような気がする。

思うところが多すぎてまとまらないな…。

2005/09/30

雲カル第4回定期演奏会

雲井雅人サックス四重奏団の定期演奏会に行ってきた。一杯の客で埋まった満員の津田ホール。「メメント・モリ」に次いで聴いたのは二回目だったが、生で聴くこのクヮルテット・サウンドの豪華絢爛なこと。曲ごとに(楽章ごとに、フレーズごとに、一瞬一瞬に)変化するサクソフォーンの音色は変幻自在。休憩を挟んで聴いた西澤健一「四重奏曲」とイトゥラルデ「ギリシャ組曲」なんか、まるで同じ団体のサウンドには聴こえなかったぞ。

休憩後の第二部が特に印象的。イトゥラルデ「ギリシャ組曲」の第二楽章「Funky」はテナーの林田さんが途中から即興でソロを取り、聴衆もかなり沸いていた。トゥール「哀歌」の隅々まで神経の行き届いた豊かな表現と感情。バッハ「シャコンヌ」では音色の変化やテンションの高さに圧倒されたし、編曲も冴えまくっていた…さすが康英先生。雲井Qの演奏に関して今更ながらひとつ面白い発見をした:発音の仕方がかなり統一されていたということだ。このコントロールされた発音から生み出される音楽が、強烈なアイデンティティのひとつになってるのだろう。

会場で康英先生、Thunderさん、先輩のSさんにお会いすることができた。初めてお会いしたThunderさんとは、少しお話しすることもできました。

ちなみに、東京に出たついでに、アクタスで「Marcel Mule sa vie et le saxophone」購入。興味深い内容です。デザンクロ「四重奏曲」のミュールによる録音って、Eratoから出版されていたんですね…知らなかった。なんとかして聴いてみたいな。

タワレコで雲井雅人サックス四重奏団のセカンドアルバム「チェンバー・シンフォニー」と、Quatuor Diaphaseの「SAXILAND」を購入(後者は四重奏+オケという編成)。どちらもなかなか一癖あるCDで、じっくり聴くのが楽しみだ。スティラー「チェンバー・シンフォニー」だけはもう聴いたが、Amherst Saxophone Quartetのアルバムとは録音環境の違いが顕著で、聴き比べるとおもしろい。

その後民音でラーション「協奏曲」のミニスコアを借りて(吹きませんよ)、徒歩で隣駅前の津田ホールまで向かったのだった。信濃町から千駄ヶ谷まで歩くのは初めてだった、というか東京を電車から降りて歩くこと自体初めてだったのだが、なんとか辿り着けた…さすがに歩き疲れましたが。

栃尾氏新譜情報

栃尾克樹氏のアルバムがマイスター・ミュージック(→http://www.meister-music.com/)から発売されていると知ったときは驚いたものだ。なんとバリトンサクソフォン・ソロによるアルバム(Meister Music MM-1189)!伴奏ピアニストは野平一郎氏。しかも二年前に東京文化会館の小ホールで行われたあのすばらしいリサイタルを回顧するような選曲だ。シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」「楽に寄す」、シューマン「幻想小曲集」「詩人の恋」。思えば学園祭の最終日を抜けて東京まで聴きに行ったんだっけな。なつかしいな。

昨日タワレコに寄ったときは無かったので(タワレコはマイスター・ミュージックのCDを扱っていないらしい)また購入するのが今から楽しみだ。10/15に渋谷のHMVでミニ・コンサート&サイン会…!?おお、ちょうど東京にいるぞ!と思ったら、17:30からだそうです。完全にリバーダンスの時間とかぶっているじゃないか(泣)早めてくれー。

2005/09/16

四重奏選曲

MSQの浮気性症候群が発病してしまいました…アンコンの曲目が変わりそう。楽譜に作曲者が渾身の思いで込めた「魂」というか「愛」というか、そんなものを感じ取ってしまうと離れられない。そんな意味でもやっぱりこの「四重奏曲」はすごい。

一昨日サクークルが休みの時間を利用して、イトゥラルデの「ギリシャ組曲」の音出しをしてみた。四重奏のポップなレパートリーとして、もっと知られてもいい曲だと思うのだが…比較的さらいやすい第三楽章「Valse」単体を、次の本番に使うことができそうだ。

2005/09/14

雲井氏関連の新譜

自宅のパソコンが壊れました。Windowsのロゴ場面から先に進まずシーク音が繰り返されるので、おそらくハードディスクのクラッシュではないか。ちょうど一ヶ月ほど前にバックアップはとってあったものの、その後作成したデータなど全部消えたかも…ショック。しばらくは大学のパソコンからの更新になるので、頻度が落ちるかもしれない。

CAFUAのWebページ(→http://www.cafua.com/)新着情報に雲井雅人サックス四重奏団の新アルバム「チェンバー・シンフォニー(CACG-0074)」の情報がジャケット写真とともに載っていた…9/28発売だそうです。廃盤になっていた雲井雅人氏のソロアルバム「ドリーム・ネット(CACG-0075)」も、なんと24bitリマスタリング版で同時再発売される模様。9/29コンサートで販売があるかも。

2005/09/12

コンクール終了

吹奏楽コンクールの東関東大会を終えてきた。結果は銀賞で、神奈川大学、流通経済大学に次ぐ第三位の得点。大学吹奏楽生活最後のひと夏かけた大イベントも、もうこれでお終い。長かった!!後に残ったのは、寂しいようなほっとしたような、でも嬉しかったような何だか複雑な気持ちと、二ヶ月以上の長きに渡る様々な思い出の数々。今まで(いちおう)8年間楽器をやってきて、ようやく去年あたりから結果が残せるようになってきたのも嬉しいのだ。

結果には、十分満足している。メンバが持てる力と時間のほぼ全てをつぎ込んだ上での結果なのだから、素直に納得。実際に演奏したメンバはじめ、先生方、吹奏楽団の団員みんなの集大成だったと思う。吹奏楽団にとってもいろんな意味でターンニング・ポイントとなるような特別なコンクールとなっただろう。来年も期待しています>みなさま。

今日は自主休講してみた。ひとやすみしたら、すぐ次が始まる。

2005/09/07

先輩からのメール

吹奏楽団の大先輩からメールを戴きました(私信:が、エラーが出て返信できません(泣)なぜだー)。

改めて、いまの音楽できる環境がいかに恵まれているかということを実感した。社会に出た先輩方の話を聞くに、やはり大学のときは恵まれていたと。クーラーがなかったり、ほかのサークルと共用の練習場所だったり、勉強やテストがあったり…そうだとしても、社会に出てもなお音楽を続けることがいかに大変であるかは、実際出てみないとわからないものだと思う。

吹奏楽団への在籍は残すところたったの(そう、たったの)二ヶ月。大学への在籍があと一年半。MSQのメンバの一人がつくばを去るまで二年半。大学院への在学もあと三年半。音楽することが好きな自分にとって心ゆくまで音楽に触れていられる、残された僅かな時間。さて、どう過ごす…。音楽する幸せは得難い。

あ、もちろん勉強もしますよ。

2005/09/05

アンコン選曲

アンサンブルコンテストでやる曲が決定、ここ数年話題の「あの曲」です。が、メンバーみんな浮気性なのでほかの曲に流れる可能性も…なんてことはないか。

候補曲たちが大変魅力的だった。ロマン派の流れを汲むグラズノフの「四重奏曲」や、チャーミングなピエルネ「民謡風ロンドの主題による序奏と変奏」などの作品はプレイヤーに演奏する喜びをもたらしてくれる。長生淳「トルヴェールの彗星」のかっこよさ!取り組んでみたい。シュミット「四重奏曲」は難曲だけど、昨年デザンクロを演奏したせいか生理的にピッタリくる部分が多くある。

サクソフォーン四重奏って、(改めて思うが)いいよね。

2005/08/29

Modern plays Zappa

友人から借りたフランク・ザッパの作品集「Ensemble Modern plays Frank Zappa(RCA 82876 56061 2)」にはまっている。ドイツ最強の現代音楽アンサンブル「アンサンブル・モデルン」の演奏であのフランク・ザッパの楽曲が聴ける!贅沢なアルバム。

しかしアンサンブル・モデルン上手いですね。あまりに楽譜に忠実に弾かれているザッパ独特の気だるいメロディ線や、グルーヴ感が見事!「低予算編成管弦楽のための音楽」のヴァイオリンとトロンボーンの超絶デュオ演奏や30分近くに及ぶオペラ?「グレゴリー・ペッカリーの冒険」などなど…充実。

2005/08/26

久々にゴーティエを聴く

ダニエル・ゴーティエのアルバム「Miniatures(MDG 603 1149-2)」を久しぶりに引っ張り出して聴いてみた。カナダ出身のサクソフォーン奏者で、アレクサンドルサクソフォン四重奏団のソプラノ奏者として(音源収集を始めた)かなり最初のころから名前は知っているサクソフォニスト。ニュートラルな音色と飾らないシンプルな音楽性がウリで、このアルバムでも様々な小品をきっちり聴かせてくれる。

確かこのアルバムを購入したのはピアソラ「ブエノスアイレスの四季」のアルト+ピアノ編成目当てだったのだが、編曲が??なのと、特に演奏も面白みがない、ということで二年前に買って以来ずっとしまわれていたアルバムだった。

が、久しぶりに取り出して聴いてみたらこれがまた掘り出し物。二年間の間に自分の耳にかなりの変化があったということなのだろうか。ウォーレン・ベンソン「エオリアン・ソング」の作品もさることながら演奏の美しさ!最近話題の作曲家ピート・スウェルツの作品「クロノス」では超絶技巧をこれでもかとばかりにバシバシ決めてくれるし、小品集と甘く見ていたわりには充実していて驚き。というわけで、買って以来しばらく聴いていなかったCDを少し漁ってみようかと思う。

おおっ

ノート(ダイアリー)の容量が100Kbytesに到達。これを期に40Kbytesずつのファイルに分けて再アップ。完成したファイルは古い順にnotes00.html、notes01.html、notes02.html。

というわけでこれからは40Kbytesごとに通し番号付きで分割してアップしていきます。しばらくはこのファイルnotes02.htmlの更新かな。他のファイルはアーカイブということで。

作曲家紹介書き書き…

次回の吹奏楽団の定期演奏会の曲紹介(パンフレットに載る)を執筆中。…なのだが、キツイ。著名な作曲家だけあって情報量が多する!

要点の抜き出しに苦労するせいか、メンデルスゾーンとショスタコーヴィチとプロコフィエフの作曲家紹介を書くだけで休み休み6時間もかかっている。まだレスピーギとミヨーが残っているというのに。まあWikipedia(→http://ja.wikipedia.org/)はじめ、インターネット上に落ちている作曲家の情報量には感嘆するばかりですなのですが。しかしこの仕事の遅さ!文章書くのはそんなに苦手じゃないのだがな…まあ、締め切りは今月中とのことなのでもう少し頑張ろう。

明日から練習場所が開くのでコンクール練習再開。あと、いい加減そろそろアンサンブルコンテストの選曲をしないと(私信)。新学期も始まるし、54定の練習も入ってくるし、学園祭の練習も。短かった夏休みもそろそろ終わり…。

2005/08/24

合宿が終了

8/17~8/22は合宿だった。吹き過ぎで危うく口の中が血だらけになるところだったが、つくばに戻って来てから休養期間を取れることになり、ただいまコンクール練習再開に向けて充電中。部屋でCDを聴いたり楽譜書いたり料理したりしながら、ゆっくり過ごすことができて嬉しい。BGMは服部吉之先生の「デュオ服部サロンコンサート」。自分が所有しているCDの中で、唯一つくば市のノバホールで録音されたもの。高いテクニックに裏付けられた、確固たる音楽の流れが心地よい。特にバリトンサクソフォーンの演奏による小品が聴きものである。

合宿は、楽しかった。合宿期間中は練習していたか飲んでいたかの記憶しかないが、その中でいろんな人と一緒に吹いたり大いに騒いだりできた。よく考えればこれから先の人生、ほぼ同年齢の80人もの友人たちと、一週間近く寝食をともしながら音楽できる機会などないに等しいのだから。

本日つくばエクスプレス開通。東京までの交通手段が便利になるのは大変喜ばしいことだ。昨日は前夜祭のイベントで吹奏楽団として「スペイン」「宝島」を吹いてきたところ。ステージセットが高級で、ソロを吹くところなどなかなか楽しかった。

2005/08/14

On Fire

母方の実家に行ってきた。車で15分とかからないところにある。祖母に出していただいたそうめんとお菓子を食べながら、縁側でゆっくりまったり。ふと思いたち家の周りを散策してみる。祖父がなくなって以来作らなくなってしまった田んぼは、雑草が生えて荒れていた。昔は…田んぼの周りの畦道でいとこと鬼ごっことか…犬の散歩とか…。悲しいような寂しいような、不思議な感覚に襲われた。これを郷愁って言うのか?

音楽の話題も書かなければ。アルバム「On Fire(black box BBM1001)」に収録されているウィル・グレゴリー「Interference」がカッコいい。まるでホラー音楽のような点描的な導入に始まり、徐々にビートを刻みはじめるシンセサイザーに追従するソプラノ・サクソフォンのクールなこと!

「On Fire」収録曲は、どの曲もかなり洗練されていて楽しめるのだが、聴きとおすにはかなり体力が必要でした。悲劇の天才女流チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレに捧げられたというディヴ・ヒース「On fire」(アルバムタイトルにもなっていますね)からハイ・ヴォルテージ。久々に聴き疲れするCDを買ってしまったという印象。

2005/08/13

帰省

昨日は上野駅でバスを降りた後、銀座線を使って渋谷まで行った。乗り換えなしの交通手段ならば、山手線とどちらが速いのだろうか。それほど違いが無かったような気がするが。

タワレコの割引ポイントが\3000分たまっていたのでサイモン・ハラーム「On Fire(black box BBM1001)」とユージン・ルソー「Eugene Rousseau and The Haydn Trio of Vienna(RIAX RICA-1003)」を購入。その後新宿のタワレコを初めて覗いてみたが、渋谷のほうが品揃えが良いように感じた。「なにわオーケストラルウィンズ2005」を買おうか迷った挙句、バスの時間が迫り買わずに退散。指揮者なし(!)の演奏で出塚健博「リベラメンテ」が収録されたり、サクソフォーンで雲井雅人氏が参加してたり、ミヨー「フランス組曲」が収録されてたりと、いろいろタイムリー。

久々の実家に到着。涼しいー、つくばに戻りたくないー。15日は成人式&花火、16日はIBB飲み、17日から合宿。三日間の間に中学高校大学三世代に渡る友人達と出会えるとは、なんという贅沢。

2005/08/12

次の定期演奏会のプログラム

本日8/12昼に帰省→合宿。しばらく更新がストップしそうだ。

筑波大学吹奏楽団の次回の定期演奏会で、「クラシックの作曲家による吹奏楽作品」と言うコンセプトのプログラムを取り上げる。プログラムに名を連ねる予定の作曲家はメンデルスゾーン、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、レスピーギ、ミヨーと、一筋縄ではいかない作曲家ばかり。

既に参考音源を何回か耳にしたり、初見合奏を何回かこなしたりしているのだが、その度に彼らの作品に接する喜びを覚える。ちょうど引退の演奏会になるが、このプログラムはなかなか幸せ。

2005/08/09

エンカルタのサックス項

msn(→http://www.msn.co.jp/)で現在期間限定キャンペーンで百科辞典「エンカルタ」を参照できる。「サクソフォーン」を検索してみたら、まあ普通のことが書いてあったのだが、サクソフォーンを独奏楽器とする演奏会作品の項にドビュッシーの「ラプソディ」とヴィラ=ロボスの「ファンタジア」がチョイスされていたのが何だか不思議。ドビュッシーはまだしもヴィラ=ロボスの「ファンタジア」とは。「ファンタジア」はマルセル・ミュールに献呈されたがミュールが既に演奏活動から引退していたため初演を行えなかった、という逸話がある。

楽鳴舎(→http://homepage2.nifty.com/rakumeisha/)のレコード・リストにマルセル・ミュール四重奏団のLP「The Saxophone Vol.2(London LS1076)」を発見。7月のレコード・リストなのでまだあるかどうかは分らないが…。ぜひ欲しいところだが、学生にとってはあまりに高すぎて手が出せません(\15,750)。シュミット「四重奏曲」、アブシル「タランテラ」「夢」、ピエルネ「民謡風ロンドの主題による序奏と変奏」入曲。シュミット「四重奏曲」はサクソフォーン協会の復刻アルバム「La Legende(A.SAX 98)」を持っているのだが、ピエルネかあ…惜しいな。

2005/08/08

コンクール突破後、一息

昨夜の打ち上げは終始場のテンションが高かった。なんだかんだ言ってみんな嬉しいんですよね。いろいろ偶然が重なって突破できたにしても、まずは素直に喜びました!東関東大会では、自分たちが満足のいく演奏をしてみたい。個人的な目標は、演奏の精度をギリギリまで上げること。まずはタンギングの連続とリズム処理を正確に吹けるようになることか。大舞台なのでやるからにはちゃんとやりたいと思う。

以前買ってきて、あまり聴いてなかったSaxofonquadratの新譜「Contrapunkt(自主制作盤?)」を聴きながらしばし休息。普通のクラシック・サクソフォーン四重奏の演奏とは違った作品の切り口が鮮烈。バッハ「フーガの技法(抜粋)」なんてNew Century Saxophone Quartetの演奏と比較するとまるで同じ曲には聴こえない。が、かなりカッコイイです。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲がやや大味に聴こえてしまうのは仕方がないかな。

2005/08/07

突破!!

吹奏楽コンクール県大会突破~!東関東へ推薦されました。とてもうれしい。我が大学としては6年ぶり!

これから打ち上げです。とりあえずご報告まで。

2005/08/06

サン=サーンスのソナタ集

どうも大会前日というものは落ち着かないので、近くのコンビニで買ってきた「飲むヨーグルト」を飲みながらCalliopeから最近復刻されたサン=サーンスのソナタ集「Camille Saint-Saens / Les sonates pour instruments a vent(Calliope CAL 4819)」をかけている。現在23:30pm、明日は5:30am集合だというのに。サン=サーンスの管楽器ソナタにグノーの「小交響曲」、ダンディ「ダンス」がカップリングされた近代フランスの管楽作品集。

「純粋」というのはこういう演奏のためにある言葉かもしれない。どこを取り出しても、どこまでもシンプルで美しい音楽が溢れ出す。ブルグが吹くオーボエ・ソナタの素晴しさ。バソン・ソナタはもう何が何やら、テナーサクソフォンの音色にも聴こえるのは私の耳が悪いせいなのか。クラリネット・ソナタも他の演奏とは違ってどこか突き抜けているのがなんとも爽快。ダルコが弾く伴奏のピアノのもかなり聴き応えあります。グノーとダンディも頻繁に聴いている、この二曲は楽譜を見てみたいな。

「オーケストラを編成するとき、弦楽器はイタリア人、木管楽器はフランス人、金管楽器はロシア人にすると良い」とも聞くが、思いがけずその考えの正しさを認識させられてしまった。何度聴いてもあちこちから上質の音楽が滲み出る。木管吹き必携。意外と安く(\1700程度)購入できるのもうれしい。

2005/08/04

雲カルの定期演奏会情報

明日は吹奏楽連盟の全日本吹奏楽コンクール茨城県大会。さてさて。

雲井雅人サックス四重奏団定期演奏会で演奏される予定の伊藤康英先生編曲のバッハ「シャコンヌ」、先生ご本人曰く「最高の出来」だそうです(レックスの方に教えていただきました)、これは楽しみだ!先生の音楽に少なからず接してきた私にとって、先生が「最高の出来」と言うときの音楽は本当に最高です。

・雲井雅人サックス四重奏団第四回定期演奏会
出演:雲井雅人サックス四重奏団(雲井雅人、佐藤渉、林田和之、西尾貴浩)
9/29(木)18:30開場19:00開演
津田ホール(JR総武線千駄ヶ谷駅前)
全席自由4,000円
ベネット:サクソフォーン四重奏曲、西澤健一:サクソフォーン四重奏曲、イトゥラルデ:ギリシャ組曲、トゥール:哀歌、バッハ(伊藤康英編曲):シャコンヌ
http://www.keller.co.jp/rex/top.html

2005/07/31

ムジクケラーのブランデンブルグ

9/29に行われる雲井雅人サックス四重奏団の定期演奏会のチケットをとった。楽しみー!!吹奏楽団の友人6人の大所帯で出かけます。つくばエクスプレスはそのころ開通済みのため、津田ホールまでの交通手段に関しては便利なことこの上ない。往復\2300と少々高くつくが。

チケットを取り扱いしている会社「レックス」は、旧ムジクケラーだったんですね。知らなかった。伊藤康英先生と筑波大学吹奏楽団のお付き合いもあるため、レックスの方も団のことを存じているようだった。
話は飛んで:ムジクケラー時代の最後の主催コンサート「ブランデンブルグ協奏曲全曲演奏会」の「第二番」の録音を聴かせて頂いたことがあるのだが、格段に洗練されていてかなりいいです。

雲井雅人氏がソプラニーノ・サクソフォン(極上)で参加しているというだけでも貴重だが、ヴァイオリンの浦川宜也氏がまたいい音色を出しているのだ。渡瀬英彦先生によるバロック風のフルートの音色も、なんだかそこだけタイムマシンに乗せて現代に運んできたかのように、素朴ながらもリアルな鮮やかさを感じさせる。

2005/07/29

所有レコードまとめページ

notesの更新を一時停止して、クラシックサクソフォーンの所有レコードまとめページを作成していた。メインページのメニューから辿ることができる。

サクソフォーンの音源を収集し始めた頃にはとっくにLPではなくCDが主流だったため、LP発売された入手できない音源の存在を知ると悔しいものだ。特にダニエル・デファイエや、その四重奏団、ジャン・マリ=ロンデックスなど、クラシック音楽界全体からみても貴重な録音の数々が未復刻なのはとても残念なことだと思う。吹奏楽がこれだけ全国的に流行っているのだから、アマチュアのサクソフォーン奏者も相当な人数いるはず。その大多数の人たちがミュール、デファイエ、ロンデックスの音色を知らずにサクソフォーンを吹き続けているという現状、驚くと同時になんとかならないかなとも思う…。

せめて、EMI Franceの三枚組アルバム「Le saxophone francais」を全国の吹奏楽団のサックスパートに一枚ずつ置いてほしいものだ(いやホント(笑))。

…この音!

アルフレッド・デザンクロに関するまとめページ作成進行中。CD「Requiem」のライナーに載っている資料が充実しているため作品リストには困らないのが嬉しい。先ほど「サクソフォーン四重奏曲」に関する原稿を文字化け状態で上書きしてしまってダメにしてしまった。

まあそれはいいのだが、久々に聴いたデファイエ四重奏団の演奏によるピエルネ「民謡風ロンドの主題による序奏と変奏」が凄すぎて、思わず唖然。何が凄いって、全部凄いです(少々盲目的か?)。このくらい吹けたら…いやいや、ありえない。テナー吹きとしては、ジャック・テリーの音色は最も魅力的なものであると同時に、決して手に入れられないものの例えみたいなものだな。目標にはできない。しかしどうしたらこんな音色が出るんだ。

2005/07/26

デザンクロ合唱曲集

7/23に東京へ出た際に、アルフレッド・デザンクロの作品集「Requiem(Hortus 009)」を入手。渋谷のHMVのクラシックフロアに何気なく行ったら、普通に置いてあって目を疑った。即刻購入したのは言うまでもない。今まで見つからなかったものがなぜ突然…と思ったが、どうやら最近広く流通し始めているようですね。その後訪れたタワレコにもありました。

ぷ~れんさんのWebサイト「あんぐらCD博物館」(→http://www.geocities.co.jp/MusicHall/6119/)のデザンクロのコーナーで紹介されているのを見て以来興味があったCD。合唱とオルガンのCDなんて初めてマジメに聴いたかもしれないが、敬虔なまでの和声の美しさに思わず感動してしまった。

ふだん管楽器を専門としているせいか、「静かな美しさ」に惚れたのかも。大きい音によって人を圧倒すること(=迫力ってやつか)だけでなく、こんなに心震え圧倒される音楽がわずか十数人の人の声で実現できるとは…CDで弱音にしびれたのは久々かもしれない。さらに演奏だけでなくこの合唱曲の美しさといったら!どの曲もシンプルながら究極的に純度が高い。作曲者と演奏者の両方に大拍手。

このCDの入手を機会にデザンクロの「サクソフォーン四重奏曲」「前奏曲、カデンツァと終曲」の所有音源を整頓してデザンクロに関するページ作成でもしてみようかな。

2005/07/24

L'Art du saxophones

立て続けにいろんなCDやLPを買った中で、ここ最近いちばんインパクトが強かったのがダニエル・ケンジー(キエンツィ)Daniel Kientzy氏のレクチャーアルバム「L'Art du Saxophones(Nova-Musica NMCD5101)」。真っ赤な表紙に金文字の表紙、裏にはコントラバスサクソフォンを携えたキエンツィ氏という異常な外見。収録曲の全ソロパート楽譜つきの分厚いブックレット入り。収録内容は、ソプラニーノからコントラバスまでの七種類のサクソフォンによるデモンストレーション音源と、七種類のサクソフォンによる100の特殊奏法の譜例&実践録音!!。えー!!すごい。

ソプラニーノサクソフォンとシンセサイザーのための即興曲「La visite du tonton de Bucarest」が虚空に鋭く響いたと思えば、コントラバスサクソフォンによる「Une colour...」の冒頭部分の超低音の野太い音色が響いてきたりと、面白すぎてマジメなのか人を喰っているのかよくわからない。

「100の特殊奏法」では楽譜とフランス語または英語の解説を元に録音で実際の音を確認することができるが、Normalから、Biphonie、Saxnay?まで盛りだくさん。楽譜を見ながら28分間、大笑いしながら聴いていました。サクソフォーンを吹いている方で現代音楽に抵抗がない方には結構オススメできるかもしれない。話のネタや現代奏法の勉強にいかがでしょうか。

ちなみにケンジーさんのWebページ(→http://www.kientzy.org)では、そのスーパーサクソフォニストっぷりの一端が垣間見られる数々のコンテンツを堪能することができる。演奏風景のムービーの抜粋やサンプル音源が充実していて飽きさせない作り。Biphonie奏法も実際の映像で確認できます。

2005/07/22

いろいろCD買った

東京に出たついでに、タワレコでいろいろCDを探してきた。購入したのはChristian Forshawの自作自演集「Sanctuary」と、ピアソラのボックスアルバム(10枚組\1460!!で衝動買い)、Calliopeから復刻されたサン=サーンスのソナタ集。けっこうジャンルがまちまちになってしまったなあ。しょうがないか。

「Sanctuary」のChristian Forshawはロンドン・サクソフォニックのメンバも務めるイギリスの若手実力派サクソフォーン奏者。ギルドホール音楽院でジョン・ハールに師事し、以後多彩な活動を展開しているようだ。このアルバムは演奏者自身の作品を中心に女声ソプラノ、キングスカレッジ合唱団、オルガンとのコラボレーションによって生み出されたもの。一曲目から残響を多めに捉えた宗教色の強い崇高な響きが新鮮。あまり今まで聴いたことのないタイプのサクソフォーン音楽だった。

聴きものは、なんといってもギョーム・ド・マショオ出典のコラール「J'ain la flour」の主題によるインプロヴィゼイションと、2002年FEVAフェスティバルでの委嘱作品であるNunc Dimittis。時に暴力的にまで暴れまわるサクソフォン、オルガン、合唱が絶妙な音空間を創り上げている。

ピアソラのアルバムは「一枚\146ならまあいいかー。」と安易の極みで購入。普段はボックス買いなんて決
してやらない(そもそもサクソフォーンのCDがボックスになっていることなどない)のだが。まとめて聴くとなかなかいけます。ピアソラの作品をほとんど知らない自分としては、新たなお気に入り曲を発見できて…そんな楽しみ方もありかな、という気分にさせられる。

サン=サーンスは聴かずに友人に貸してしまったので、帰ってきたらまたコメントしてみます。

レ・ヴァン・フランセの東京オペラシティ公演ではリゲティ「六つの小品」をやるみたいだ。聴きたい!!つくば公演ではやるのだろうか…?実はまだ木管での演奏を聴いたことがない。大阪室内楽コンクールでハバネラ四重奏団と第一位を分け合ったロシアのRNO木管五重奏団が演奏していたらしいが。

2005/07/19

表現力の強さ・弱さ

前日のエントリのつづき。サクソフォーンの世界のことに置き換えてみると…。

日本人が国際コンクールに出場するとき、日本人が外国の楽器を使って外国の作品に取り組んでいるわけだからハンディは様々にあろう。しかしもっとも顕著な弱点として、コンクールの場での日本人の表現力の弱さが挙げられる、ということを著名なサクソフォーン奏者が話しているのを聞いたことがある。技術力は優れているがそれ以上に伝わるものがないと次の予選に進むことはできない、といった類の話だった。

外国人の表現力の豊かさはすごい。細かいところを吹き飛ばしても、全体のバランスが崩れても、感情をストレートにそのまま楽器に乗せる態度はある意味清々しくもある。でも、日本でそれをやると失笑買いますね…。たとえば日本のコンクールでなら「細かい部分にこだわりすぎて全体のバランスが~」とか「構成感に乏しい演奏~」とか言われてしまう。だからといって構成を考えた上での演奏は全体を見渡せば美しいが、瞬間の煌きがない分つまらない。日本での線引き、難しいです。

ここまで書いてふと思った。1992年の第7回東京国際音楽コンクール室内楽部門、トルヴェール・クヮルテットとアポロ四重奏団がぶつかった年だ。アポロが第一位で、トルヴェールが第二位だった。トルヴェールがアポロに負けたのって、表現力の強さが原因なのかもしれない。たしかにアポロの演奏の主張の強さは誰が聞いても鮮烈なものだし…。

…疲れた

7/16に「東西インカレ 男子バレーボール日本一決定戦」のウェルカムパーティーにお呼ばれ。四重奏で「私のお気に入り」を演奏してきた。食事が食べられたのでまあ良し。指の回りが超絶だったのはたぶん「…」のおかげでしょう。

肝心の演奏は…バレー目当ての群集の興味をこちらに向けさせるのがいかに難しいことであるか、身をもって体験。いやぁ、大変だった。しかしこちらには目もくれずバレー選手に群がる人だかりの中、小さな子供たちが真剣に聴いてくれました。それがけっこう嬉しかった。

2005/07/18

芝居を観てきました

コンクール練習の毎日。日曜日および祝祭日は大学のクーラーが入らないのがツライ。

本日の練習が終わり、先ほど芝居を観にいってきた。といっても知人からの紹介で、大学のとあるサークルの公演だったのだが。いまだかつてまともに芝居を観たことがない自分にとって、レベルの高さの指針というかそういうものはないわけだから「上手さ」は良く分からないのだが、レベル高かったです。正直驚きました、いやはや。このぐらいのレベルは当たり前なんだろうか…ちょっと興味あるところ。

さすがに一人ではなんなので(?)学類の友人と行ったのだが、日本において演劇で表現することの難しさについてちょっと興味深い話を聞いた。それは、日本人特有の保守主義からくる普段の生活でのリアクションの薄さから来るもので、芝居中で日本人が日本人に演出されて日本人を演じるときは難しいよね、という話し。

芝居だからオーバーリアクションを随所に織り込むのは当たり前なのだが:つまりアメリカだったら普段から大きなリアクションがあるけれど、日本人を演じる芝居だとどうしても不自然=オーバーリアクションになってしまうので、どこで線引きするかが難しいのだと。そうか、テレビで芝居を観るときに感じる不自然さのひとつがそういうことから来るものだとは。確かに今日観た公演だって演劇の歴史でいえば「新劇」に分類されるもので、西洋的な影響を受けているはずだし。

音楽もそうなのか?

2005/07/11

ノバホールにレ・ヴァン・フランセが!

え?「レ・ヴァン・フランセ」がつくばに来るって…!?す、すごい。定期演奏会直前なんだが…木管パート全員必修にして見に行こうか。

詳細情報はこちら(→http://www.e-tsukuba.jp/cgi-local/news/news.cgi?id=1358&userid=89)。

2005/07/08

レコード再生

大学の図書館にギャルド四重奏団のLPと録再MDウォークマンを持ち込んでLPを録音!MDで聴けるようにした。レベル調整などなかなか厄介で、若干音が割れ気味になってしまったのが悔やまれるところ…もしかしたらアンプやプレーヤ側のレベルが大きすぎたのかもしれない。

ところで、レコードをMDへ録音しているときにヘッドフォンをつけレベル調整をしながら録音していたのだが、たまたまヘッドフォンのプラグを外したときにどこからか音が聴こえてきてびっくりした。?と思って音の出どころを探すと、どうやらプレーヤのレコード針の振動が直接聴こえてきているようだ。溝に掘られた振動が直接針から伝わって増幅されているんだ!と、なんだか妙に感動してしまった。

たぶん上の世代の方々にとっては、アンプを通さなくても小さな音が小さな音が聴こえてくるなんて、ごく当たり前の事なのかも知れない。自分が物心ついたときにはカセットテープ、CD、MDが主流になっていたため、変なポイントに驚いたり感動してしまったりするのは時代の移り変わりだろうか、やっぱり。

2005/07/04

サックスの演奏を聴きながら

サクソフォーン演奏の魅力とはなにか?アマチュアレベル~プロの大多数の演奏を聴いての感動は、

1、音色の美しさ、ヴィブラート、音量といった楽器的な側面に感動すること
2、その楽器に乗って耳にやってくる音楽(リズム・メロディ・ハーモニー)に感動すること

というふうに二つに分けられるだろうか。ここで注意したいのは、楽器というのはあくまで作曲家によって創られた音楽を表現するツールの一であるということ。それを踏まえてよく考えたら、今まで色々な演奏を聴いたが、1や1+2の感動はたくさん感じたことがあるが、2の感動だけ、というのは今までほとんど感じたことがないなあ。

演奏を聴きはじめた瞬間にサクソフォーンを聴いている感覚がなくなるような演奏って意外にも?稀なものだ。CDではせいぜい新井靖史演奏のフィオッコ「協奏曲」やハバネラ四重奏団演奏のリゲティ「6つの小品」やドゥラングル演奏の田中カレン「ナイト・バード」くらいか…思いつく演奏が少ない=いかに「サクソフォーンを聴いている」という感覚を持ちつつ演奏を楽しんでいることか!まあそれはそれで良いとは思うけど。

2005/07/03

後輩たちのクヮルテット

7月1日のエントリを読み返してみたら文才の無さに閉口してしまった。セクエンツァ好きの勢いに任せて書いたのがバレバレ…。

所有のクヮルテットCDを10枚ほど後輩たちに貸したのだが、その29期のサクソフォーン四重奏団は手始めにドビュッシー「ベルガマスク組曲」に挑戦するようだ。TSEが2年間取り組み続けて東関東大会第2位まで進んだことで有名な曲だが、その事実を知っている私たちはちょっと手が出せません…何も知らないっていいなあ。どんなクヮルテットになるのだろう。ソプラノ奏者筆頭になかなかの実力者がそろい、傍から見ながら非常に楽しみである。こなれてきたら八重奏でも(!?)。吉田亘編曲の「ブエノスアイレスの春」がやりたいだけなのだけど。

2005/07/01

セクエンツァ雑感

雲井雅人サックス四重奏団のCD「チェンバー・シンフォニー」の発売が9月まで延期されてしまった…ショック!早く聴きたい。

「チェンバー・シンフォニー」の発売と同時に、廃盤扱いだった雲井雅人氏のソロCD「ドリーム・ネット」が再販されるようだ。ジョセフ・カントルーブ「オーヴェルニュの歌第一週」へサクソフォーン+ピアノ+弦楽四重奏という編成でトライしたライヴの録音が収録されているが、編曲の巧みさとサクソフォンの美しさが相乗効果をあげ興味深い演奏となっている(編曲は伊藤康英先生!)。原曲のソプラノ独唱+管弦楽という編成に負けない色彩感豊かな演奏。康英先生自身が演奏しているピアノがまたいい音色を出しているのです。その他、ミュールも録音したバッハ「ブランデンブルグ協奏曲第二番」やグラズノフ「協奏曲」も収録された、話題に事欠かぬCD。

某S氏のブログでセクエンツァ集の紹介がされているのをみて驚いてしまった。「セクエンツァ集(Deutsche Grammophon)」は巨匠ブーレーズ率いるアンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバによって、ベリオ作曲による同名の無伴奏作品が演奏された録音(3枚組)。たしか高校のときものすごく欲しくなって、結局高くて買えないでいたところを友人に貸してもらったんだっけ。自分が生まれて初めて聴いた現代音楽が「セクエンツァ」だったもので、この曲に関してはちょっと思うところが多すぎる。

オススメはI,III,V,VIIa,VIIb,X,XI。面白い仕掛けがしてある曲もあり、タネ明かしをしてしまえば…

・トロンボーンのためのVは演奏しながら「Why?」と叫びつづける。
・オーボエのためのVIIaは演奏者の隣でチェロがppppで持続音を鳴らしつづける。
・トランペットと「静かな」ピアノのためのXはペダルを踏んだままのピアノにトランペットの音を共鳴させる。
等々。

サクソフォーンのためにも二曲書かれており、アルトサクソフォーンのIXbとソプラノサクソフォーンのVIIbがある(自分の携帯電話のアドレスに"ixb"が含まれているが、実はアルトサクソフォーンのIXbを小文字に直したものなのだ)。この曲の録音はパリ国立高等音楽院教授のクロード・ドゥラングル演奏によるアルバム「Solitary Saxophone(BIS CD-640)」(絶品!)が手に入れやすい。

高校三年の春、「セクエンツァ」から自身の現代音楽大好きキャリアが始まったのだったなあ…そういえば。この後ベリオの「シンフォニア」にはまり、さらにクセナキス、グバイドゥリナ、デニゾフ、ケージ、シュトックハウゼンに走って、ミニマルのグラス、ライヒ、ナイマンと来て今に至る。

2005/06/28

トゥーランガリラ聴きそびれ

昨日は東京都交響楽団のメシアン作曲「トゥーランガリラ交響曲」の演奏会、だったのに…すっかり忘れていた。行きたかったー…。実演に接する機会なんてそうそうない曲ですから。オンド・マルトノは原田節、ピアノはなんと野平一郎!惜しいことしたものだ。野平一郎さんのピアノは、一昨年の栃尾克樹さんのバリトンサクソフォンリサイタルの伴奏として聴いて以来、ぜひもう一度聴きたいと思っていただけに余計悔しい。

「トゥーランガリラ交響曲」全10楽章、80分に及ぶ20世紀管弦楽曲の金字塔ともいえる作品。メシアンの色彩感豊かな和声とポリリズムが爆発し、音の洪水が押し寄せ続ける…という音響の中、人間の「愛」とは宇宙をも超越したかくも究極的なものである、ということを音楽で表現した集大成ともいえるだろうか。N響アワーで第10楽章の抜粋を観てから、突然取り憑かれてしまったすばらしい作品なのです。

音源は、大学の図書館にあったサイモン・ラトル指揮バーミンガム市響の演奏(金管が強烈)と、チョン・ミュンフン指揮バスティーユオペラ座管の演奏(弦が美しい)。

2005/06/26

これからの演奏予定

学園祭の前夜、動物研究の学会でのサクソフォーン四重奏(MSQ)の依頼演奏を受けることができたようだ。

ジョシュア・レッドマンの楽譜から「Hide and Seek」と「Cat Battles」、学園祭に向けてさらうことになった。久々のジャズは楽しみ。今度は曲数が少ない分、じっくりさらっていこうかと。

LPに記載されていたヌオーに関する阪口新の文章、貴重な資料と思われるので試験的に公開してみます(→こちら)。著作権などで不都合が生じた場合はすぐ公開を停止します。

2005/06/23

ギャルドのLP聴きました

聴きました。「サキソフォン四重奏団の魅力 -ギャルドのメンバによる-(EMI EAA-85052)」。大学の図書館にLP再生環境があるのは幸いだった、そうでなければまともな再生環境すらないまま盤だけ買って途方に暮れていたかもしれない。

「START」ボタンを押すとアームがゆっくりと持ち上がり、ゆっくりとレコードの上に針が落ちる。パチパチというノイズの中から響くボザ作曲「アンダンテ」冒頭部の柔らかいソロ・テナーサクソフォンの音色。かなり音場の近いデッドな録音だが、そんな録音上の不利さなど気にならないほど魅力に溢れたLPだ。ヴィブラートを揃えた四人のユニゾンの色っぽさとか、世に数々出ているCDと比べてみても遜色ないほど。

デザンクロの「四重奏曲」での意外なほどのテクニック、最終部TempoIで三回目のモチーフが出現してからの演奏の速さ!誇張抜きで今まで聴いた演奏の中で一番速い。テクニックが向上してきた現在にあって、CDでもなかなか聴くことができない派手な盛り上がり方だ(さすがにヌオーは落ちかけているような)。ヌオーに献呈された曲でもあるショルティーノ(シォルティーノ)「異教徒の踊り」は資料的価値が高いものだろう。いかに昨今のアンコンで演奏されている解釈が不自然なものなのか、という考えを深く認識する。そう、冒頭のsans vibrer.はこうでなければいけない!かもしれない。「異教徒の踊り」を吹く方はぜひ一度接してほしい録音。

こういう古い音源て、テクニックの甘さとか録音状態の悪さとかそういうものを超えて心に響くものがありますね。

余談ではあるが、図書館に持ち込んだときに視聴覚資料室カウンターの係員の方に非常に驚かれた。今時LP聴く人もなかなかいないし。「え、レコードだって!?」「うん、俺もびっくりした」という係の方の会話が聞こえてきた。してやったり。

2005/06/22

ギャルドQのLP入手&ソビエト民警

ついにLP入手!合計で\2500ほど。1974年発売の国内版で、AFAとEMIの提携による盤(EAA-85052)。まだ聴いていないが、ジャケットのヌオーに関する阪口新氏の文章、それに赤松文治氏の曲解説が興味深い。阪口新氏の文「今年のボルドーにおけるサクソフォンコングレスで、また彼(ヌオー)に会えるのを楽しみにしている。」…。こんな時代があったのか!!想像もつかないな。授業終わったら図書館に持ち込んで聴いてみる予定。

吹奏楽団の方で問題になっているショスタコーヴィチ作曲「ソヴィエト民警のための行進曲」の楽譜だが、Royal Northern College of Music Wind Orchestra(この曲を唯一レコーディングしている団体)を擁するイギリス王立北部音楽院にメールで問い合わせたところ、同院のオーケストラ&アンサンブルのライブラリアンの方から丁寧なお返事をいただいた(もちろん英語)。BOOSEY&HAWKESのHire Libraryから入手できるそうだ。54定で演奏したら日本初演は確実…かも?ああ、また英文メール書かなくては。もしくは日本の代理店を経由してレンタルすることはできないのかな?

2005/06/20

ヌオー参加のLP

友人に落札してもらったLPが届いたようだ。ギャルド・レピュブリケーヌサクソフォン四重奏団のLPで、ボザ、デザンクロ、ショルティーノ、バゴの四重奏曲が入っているもの。ソプラノは当時のギャルドの主席アルト、ミシェル・ヌオー。このサクソフォーン奏者に関する情報は一般的には寡聞であるが、「忘れざるルシアン・テヴェ」というページの掲示板過去ログのエントリ230番(→http://homepage3.nifty.com/thevet/ltbbs20.htm)での解説が詳しい。

2005/06/19

マウスピース地獄

最近の悩み:マウスピースどうしよう。Selmer CS80とRousseau NCとの狭間でひたすらゆれ続けている。Rousseauの低音のコントロールの容易さや音色の柔らかさは魅力的だ、しかしSelmerの高音の伸びやピッチの良さは代え難い、とか考え出すととまりません。

とっかえひっかえ吹いているものの、このままでは音程を作れないし…ああ。リガチュアはBG Traditionで決まりなのだがなあ…。Vandoren T25も試してみたいけど、いや、このままだと確実にマウスピース地獄にはまる。

楽器の小物をコレクションする趣味は全くない!、のだが。

ミヨー管弦楽曲集

バーンスタイン指揮フランス国立管弦楽団のミヨーの管弦楽曲集。録音は1976年。「世界の創造」をメインに「ブラジルの郷愁」と「屋根の上の牛」がカップリングされて\1733で購入できる良版である。吹奏楽団の次回の定期演奏会でミヨーの吹奏楽曲「フランス組曲」を演奏する関係で久々にCD棚から引っ張り出してきたのだ。

なんでこんなオーケストラのCDを所有しているかといえば、やはりサクソフォーン目当て。「世界の創造」の序曲、アルトサクソフォーンが金管の強奏の裏でバラード風の物憂げなメロディを奏でるその美しさ。ミュールとはまた違った、余分な倍音を一切排除した限りなく澄み切った音色と、説得力のある深く一定なヴィブラート。他のどの奏者も明晰な音色で存在をアピールするが、どうしてもその美しいサクソフォーンに耳が引き寄せられてしまう。サクソフォーン独奏はミュールの高弟、ダニエル・デファイエ(ドゥファイエ)です。

たった四音だけフルートとユニゾンで動くところとか、息遣い(息継ぎ)すら演奏の一部として取り込んでいるところとか、全員がやりたい放題のコーダとか、聴き所満載。

2005/06/17

ああ編曲物!

オーケストラ曲の吹奏楽への編曲譜は(…たとえ元の曲がどんなにすばらしい作品であったとしても)サクソフォーン奏者に一抹の寂しさを与える。

であるから四重奏に心砕くのです。吹奏楽で満足してたら他のことに手なんか出しません!。なんてね(心の叫び)。

2005/06/16

作曲家と、演奏者と、

伝承歌(謡)のルーツをたどれば謡を作った本人が演奏し、それを聴いた子孫が伝えたわけで…つまりその頃の作曲と演奏は共存せねば存在できないものだったと。文字の文化を持っていなくても親から子、そして孫へと伝承されることにより生き残ってきたトラディショナルなメロディが世界各地に溢れている。

すると「作曲」と「演奏」が完全に分離したのはいつからだろう…という疑問がふと起こり、一晩考えてはみたものの中々思いつかず、朝から講義を聞きながら考え続けているうちに、ふと思いつく:楽譜(記号)の登場とその意味の固定によって初めて作品は作曲者の元を離れて一人歩きを始めたということか。ありきたりな結論に達するまでに異常なほどの時間を費やしてしまったことに悔やみつつも、まあ善しということにした。

が、その次の瞬間、作曲者と演奏者を結びつけるものは今や記号が書かれている紙切れのみということか…ということに考えが至り、我々演奏者がする行為のあまりの危険さに身が震えた。

余談ではあるが、現在参加しているサクソフォーン四重奏団(MSQ)は、作曲家のディヴィッド・マズランカ、小倉昌浩、伊藤康英各氏に(かなり直接的に)お世話になっている。辺鄙な田舎の一大学生の相手をしていただける先生方に絶大なる感謝を。あと、メールという文明の利器にもね。

2005/06/14

ポップス四重奏曲集

直下の記事に書いてある雲井雅人四重奏団監修のサクソフォーン四重奏曲集(ヤマハ・ミュージックメディア出版)を買ってきて音出ししてみた。「New Sounds in "Ensemble"」と銘打つだけあり、「New Sounds in Brass」でもおなじみの編曲者(森田一浩、星出尚志、後藤洋)がそれぞれ「プレイ・バッハ」「ゴスペル・メドレー」「ニュー・シネマ・パラダイス」の編曲を担当しているという代物。この編曲譜に関する記述がなかなかインターネット上にないので、少し書いておこうと思う。

無伴奏チェロ組曲とフーガの技法にヒントを得たという「プレイ・バッハ」は難曲。初見はおろか、一週間本気でさらっても通すことすらままならないのでは、というくらい。かなり密度が濃い作品で、何かの機会に本気で取り組んでもいいかと思わせられる。

「ゴスペル」と「ニューシネマ」は難易度が低めに設定され、しかも吹いていて楽しい!(なんて言ったってニューサウンズ!)「ゴスペル」は「アメイジング・グレイス」で始まって「I will Follow Him」に繋がり、そのまま「天使にラブソングを」よろしく突然「ROCK Tempo=144」の指示。ロック調の部分はカッコイイようなダサイような妙な編曲だが、アルトが咆えるアドリブ風のファンキーなフレーズなどなかなか面白いです。オススメ。

「ニューシネマ」はかなり原曲に忠実に、ひたすら美しく美しく、という編曲作品。「愛のテーマ」でのテナーとバリトンのベタベタな二重奏や、ソプラノ、アルトパートに現れる甘ーい旋律など、まともに吹くのが恥ずかしいくらい。まあ、純粋にモリコーネの旋律美を堪能できるのでこれもなかなかオススメです。

次に依頼されている出演機会(インカレのレセプションパーティー)での演奏は、「ゴスペル」「ニューシネマ」「私のお気に入り」「木星」「タンゴの歴史」から数曲、といったところか。楽しみ。

2005/06/12

これからの演奏話し合い

四重奏メンバで集まって東京駅土産とスナック菓子をつつき、梅酒と日本酒を飲みながら、会議。いっしょに練習してきた時間は異常なほど多い(はっきり言って吹奏楽いっしょにやっているよりよほど多い)のだが、集まって予定を決めるのは一年ぶり二回目なのだ。2006/04/30にアルスホールでコンサートやります、ということを決定!

あと、これからさらう曲か…雲井雅人サックス四重奏団監修の四重奏曲集(→http://www.ymm.co.jp/products2/detail.php?format=sales&code=GTW257900)と、ピアソラ「タンゴの歴史」とマズランカ「マウンテン・ロード」とメンデルスゾーン「プレリュードとフーガ」とサンジュレ「四重奏曲第一番」と宮川彬良編「私が愛したロイド・ウェーバー」…すごい。メンデルスゾーンでは、筑波大学吹奏楽団第54回定期演奏会幕前演奏のポジションを狙っていきます。

2005/06/11

歌のコンサート

つくばのアートスペースはる工房で開かれた伊藤康英先生と見角悠代(みかどはるよ)さんの歌のコンサートに行ってきた。歌曲のコンサートに行くのは初めてだったのだが、終わってみれば大満足。小さなスタジオのようなスペースで、すぐそこにいる一流の音楽家の演奏を楽しむという贅沢な機会、なかなか得難いものです。

四重奏で吹いたこともあるドリーミング・ドールのピアノ版を聴くことができたり、ヴォカリーズ風「木星のファンタジー」を聴くことができたり、「ここんぷいぷい」新版を聴くことができたりと、個人的な楽しみもさることながら、ステキなトークを交えたコンサートの雰囲気にいつの間にかのめり込んでいき、ふと気付けば気持ちが充実しているのだった。いいですね、歌。人間が本来持っている楽器の一つで、もっとも表現力豊かなもの…何か美しいものが心にダイレクトに入ってくる感覚、歌(とミュールの演奏)でしか味わえないものですね。

康英先生のピアノの美しさは相変わらず。pやppにおけるタッチの美しさと言ったら!ぜひベーゼンドルファーで聴きたいものだ…(本日はYAMAHA)。見角さんの異常に広い音域を持つ(今日の最高音はDouble High-F!)ソプラノにもかなり惚れました。シュトゥットゥガルトの方に留学するそうで、日本の声楽界の、ものすごい逸材である感が拭えない。

2005/06/09

ミュール「コンプリメンタリー」

グリーンドア音楽出版から出ているマルセル・ミュール「コンプリメンタリー」を購入。一曲目、ランティエ「シシリエンヌ」の最初の音が聴こえてくる瞬間から肉声のごとき豊かな音色にゾクゾクしてしまう。そうそう、この感じ!初めてミュールの録音を聴いたときの、サクソフォーンの音色が体の隅々に染み渡ってゆく感覚。確か初めて聴いたのはヴェローヌ「ラプソディ」(こちらは1930年頃の録音)だったが、ハープとチェレスタのやや硬質な音色に導かれてゆったり入ってくるサクソフォーンが鳴り始めた瞬間、いままでSPの奥で演奏していた三人のアンサンブルが突然身体に「入ってくる」という感覚を味わったのである。気付けば感動のあまり涙を流しながら聴いていたなあ…。

そんな感覚を、このCDでも味わうことができる。言葉では説明しきれない演奏がここにたったの\2520で…これは聴くしかないでしょう!あらゆる管楽器愛好家にお勧めしたい。呼吸という単純な行為がサクソフォーンという楽器を媒介にして音になるプロセスを極限まで高めた演奏なのだ。

ちなみに演奏のすばらしさもさることながら、選曲も資料的価値の高いものとなっている。トマジの「ジラシォン」は「協奏曲」の第二楽章だし、ミュール自身も気に入っていたというパスカルやチェレプニンの録音も貴重…チェレプニンは曲の持つ痛快さがたまらない。デュクリュックはドゥラングルや原博巳による録音と聴き比べてみると一興。松沢増保による解説も興味深い。

2005/06/08

筑波大学吹奏楽団第53回定期演奏会

筑波大学吹奏楽団第53回定期演奏会に思うことは多すぎて書ききれません。あれだけ充実した奏後感を味わったステージは初めての経験なのでした。幕前、指揮、アナウンス、演奏、ソロ…どれもこれも、いやー楽しかったなあ。そういえば打ち上げではスタートダッシュしましたが、多量のウーロン茶のおかげで最後には介抱側に参加することができました。

もしかしたら近いうちにどこかにツラツラ書くかも。忘れないうちに記録しておきたいところです。あ…感謝したい人が、山ほどにいます。音楽やってて心から感謝できる人がこんなに多く存在するという類稀な幸せ哉。

2005/06/01

芸術劇場オープニング・テーマ

NHK芸術劇場のオープニングで使用されているサクソフォンアンサンブルの曲が気になって、NHKに問い合わせてしまった。丁寧なお返事を頂きました。さすがNHK。

小倉昌浩作曲「芸術劇場 オープニングテーマ」(委嘱作品のためタイトルは特にないそうだ)
演奏は田中靖人、彦坂眞一郎、新井靖志、大津立史の四人だそうです。…ん??トルヴェールのようでトルヴェールじゃない!

2005/05/31

実相寺昭雄の「魔笛」

少し前の話だが、二期会のオペラ公演でモーツァルト「魔笛」(実相寺昭雄演出)が面白かった(伴奏は下野竜也指揮東京フィル)!!もしかしたら話のタネにしかならないけど、こんな演出で楽しめるのはオペラ嫌いの私ならではでしょうか。おかげでシュトゥットゥガルト歌劇場のコンヴィチュニー演出の魔笛にまで興味が沸いてきてしまった。

タミーノが機械式の怪物列車と戦う冒頭からして鮮烈だし、ライトセーバー(もどき)を携えた三人の従者に、面白くて憎めないパパゲーノ。魔笛を吹けば獣たち(ウルトラマンの怪獣たち、カネゴンやレッドキングがいたぞ)が寄り添い、首吊りの木とパパゲーノが漫才を始め、パパゲーノとパパゲーナは出会いを喜びながら愛の二重唱にあわせて××体操をするという…。「たくさんのパパゲーノとパパゲーナ」はキューピー人形がたくさん生まれて最後にはなんと!

久々に大笑いしました。いやあ、よかったなあ。ばんざいNHK芸術劇場。

2005/05/30

管打コンクール

今年の管打楽器コンクール(財団法人日本音楽教育文化振興会主催)、サクソフォン部門本選の課題曲がなんとラーションのアルトサクソフォン協奏曲!…恐ろしいことだ。アドルフサックス国際コンクールを真似したのかどうなのか。ラーションの協奏曲はジョン・エドワルド・ケリーの録音しか聴いたことなくて、プロの知られた演奏家であってもここまで登攀しがたい曲があるのかと、驚いたものだった(いや、それなりには吹いているんだけどフラジオ負けしている感が否めない)。

曲を聴き進めていくと、とりあえず耳に慣れぬほど超高音のフラジオが耳に入る。一発目のDへの跳躍の後、スラップとフラッターを利用した盛り上がり…その後無窮動的なフレーズをあっさり通過したかと思えば、さらに高音のフラジオGやAの記譜。カデンツァも名人芸的フレーズ全開。実演に接してみたいな。サクソフォン部門本選は11/19の10:00から文京区バリオホールにて、特別演奏会は11/21の17:30から文京シビックホールにて(伴奏は日本フィル)、だそうです。

2005/05/28

リバーダンスのチケット

(すっかり書き忘れていたけれど)リバーダンスの10/16 17:00公演のチケットをプレオーダーで当て、観にいってきます!楽しみー!同行人は某ト○さんとあん○さんとみ○さんです。

どうでもいいんだがサークルの人たちに見られているのか?このページ。二人ほどに存在が知られているはずだが…逆にサークルのみなさんのページは知らないんだよなあ。だれか教えてください…。

2005/05/27

アウレリア四重奏団のEtcetera二枚

ようやくマルセル・ミュールの新復刻版注文しました。早く届くといいなー。…練習中に隣の部屋からパスカル「ソナティヌ」が聴こえてきた、と思ったら先輩が吹いていたのでした。

巷ではハバネラサクソフォン四重奏団の話題ばかりだが、ふと、オーレリアサクソフォン四重奏団のCDを聴き始めてしまった。「Debussy Ravel Roussel」と「French Music for Saxophone Quartet」の二枚。ハバネラの緊張感溢れる演奏にどっぷり浸かって満足したあとにこのCDをかけると、なんとも幸せな気持ちになれるのです。

表現の積極さと音楽を演奏する喜びの同居。サクソフォンが絶妙に響くサウンドが耳に飛び込んでくる瞬間の心地よさ。瞬間瞬間の響きにほかの団体にはまねできない何かを感じ、いろんな時に聴きたくなる素敵な演奏の数々なのです。

2005/05/26

ハバネラ四重奏団優勝

第5回大阪国際室内楽コンクールでハバネラサクソフォン四重奏団が優勝したそうです。サクソフォン奏者である井上麻子さんのブログ(→http://asako-inoue.blogzine.jp/saxophonique/)にメンバーの写真とともに通訳ならではの親近感ある文章で詳細が書かれています。ん、井上麻子さん?サクソフォーンフェスティバルのプログラムで名前を見たような…手元にプログラムがないのでなんとも言えませんが。

しかしハバネラといえばあの超絶CD「Mysterious Morning」や「Grieg, Glazounov, Dovrak」の演奏団体だものな。いやーすごいなー。一度生で聞いてみたいものです…優勝ツアーが楽しみだ!明日の朝の目覚まし音楽はファーストアルバム「Mysterious Morning」に収録されているリゲティ「六つの小品」にしました。

2005/05/17

Life is Music, Music is Life.

世間ではXbox360が発表されたりPlayStation3が発表されたりしてますね。昔の自分だったらものすごくどきどきしたんだろうな~。いやはやゲーム業界の動向に一喜一憂していたころが懐かしい(しかしCellのアーキテクチュアには興味津々なのだ)。

中学~高校のときはそんな子供だったのに、大学生となったいまや楽しみにしているのは5/19のクラシックレコードの復刻版の発売ですよ!信じられない!楽器に人生狂わされてしまったというのは本当なんだろうな。楽器やっていなかったらアンサンブルの愉しみとかそんなのも知らなかったわけで。苦しいことも多くあるけれど、その反対にある音楽を奏でる瞬間の(そう、まさにその瞬間の!)言いようのない楽しさよ。なんかこの快感なしには生きていくことすらままならないような気がするのですよ、最近。どうしてこんなこと考え出したのかしらん。
ただ、音楽を専門とするのは私にはまっぴらなのですが。

2005/05/14

ミュールの新復刻盤

アマチュアサクソフォン吹きとして著名なThunderさんのページ(→http://homepage1.nifty.com/thunder-sax/)から辿れる「音楽的日常blog」に掲載されていたネタ。マルセル・ミュールの新復刻版が発売されるらしい!しかもしかも、国内初出音源多数!わー、楽しみ!絶対購入するぞ。パスカル「ソナティヌ」やチェレプニン「ソナタ・スポルティヴ」、トマジ「ジラシォン」といった曲目が収録されているようだ。

フランス・サクソフォーン協会製作のCD「La Legend」は持っていたのだが、それにしてもパスカルやチェレプニンの復刻は嬉しい!チェレプニン「ソナタ・スポルティヴ(ソナティヌ・スポルティヴ)」は雲井雅人氏の「小言ばっかり」で記事を読んで以来注目していた曲であったが、まさかミュールの演奏で聴けることになるとは思いもしなかった。なにはともあれ楽しみだ!

2005/05/12

やることリスト

ウィリアムズ作曲サミー・ネスティコ編曲「コンサートバンドとジャズアンサンブルのためのラプソディ」のソロを昨日朝の3:30までかかって書いてみた。作るのにはもちろん苦労したが、できあがったものがまた難しくて。

最近暇がない!レポートが、課題が、練習が、本番が!まあ、大学生ならではの辛いところであるので少しプラス思考になってみようかと思ったりもするのだが。しかしなあ…下に自分で忘れないように列挙してみた。こう書いてみると少なく見えるものの、一つ一つの内容が重すぎるのです。ま、こつこつと処理していきますかね。

・技術英語レジュメ作り
・ヒューマンインターフェースレポート
・Verilog-HDL実験
・演出会議出席
・ラプソディソロ練習
・LALAガーデン宣伝演奏

ただいまBGMはマイケル・ナイマン「ピアノ・レッスン」。サイモン・ハラームのアルバム「Frame」に収録されているメドレー「ザ・ピアノ・シングズ」の音源である。ミニマル系ではもっとも好きな作曲家で、たしか個人的嗜好がフィリップ・グラス→スティーヴ・ライヒ→マイケル・ナイマンと変遷し、結局ここに落ち着いたのだったと思う。

グラスの「ミシマ」→ライヒの「リード・フェイズ」→ナイマンの「トニーへの歌」がそれぞれの作曲家にはまるきっかけだったような記憶がある。結局のところ、ナイマンの使う人間味(野性感)あふれる血の通った旋律線に惹かれてしまったということなのだろう。

2005/05/09

雲カルの新譜情報

雲井雅人サックス四重奏団のページ(→http://www.kumoiq.com/)が更新されていた。二日前に「更新まだかなー」と書いたのだが何と良いタイミング!新しい内容はCAFUAレーベルからのCD新譜のお知らせと第四回の定期演奏会のお知らせである。

CDは「チェンバー・シンフォニー」以外の収録曲目が気になっていたのだが、どうやらモーツァルト作雲井編「教会ソナタ」とディヴィッド・ケックレー「ステッピング・アウト」が併録されたようである。さらに、「チェンバー・シンフォニー」に続いてヴィヴァルディ作林田編「この世にまことの安らぎはなし」も小品として収録されている。収録曲や収録順を見ると、雲井雅人さん始めメンバーがCDに込めた眼差しがうっすらと見えてくるようで興味深い。発売は7月とのことだが、今からとても楽しみである。

定期演奏会のお知らせも更新されていた。9/29になるようだが…木曜日!か。平日だとつくばから出て行くのはなかなか辛いのです。まあ、なんとかして聴きに行きたい。バッハのシャコンヌ(康英先生の編曲だ)や西澤健一の新作委嘱作品の演奏が決定しているらしい。

2005/05/08

近代・現代フランス音楽入門

サクソフォンの様々な作品に接していると、当然のように他のフランス音楽にも興味が出てくるものだ。私自身、好きな作曲家を挙げるだけでもラヴェル、ドビュッシー、シュミット、ミヨー、メシアン、ジョリヴェと、近代~現代のフランス音楽への興味は尽きない。そこで(?)フランス音楽好きにオススメの一冊、磯田健一郎著「近代・現代フランス音楽入門」(音楽之友社)。
サティブームの流れに乗った1991年の出版で、現在は販売されているか確認が取れないが、近代フランス音楽における知識を軽く蓄えるには絶好の名著であると思う。作曲家吉松隆氏(!)の推薦文にもあるとおりとてもポップな文体で調子よく語られる磯田節炸裂の本書はとても読みやすく幅広い音楽愛好家におすすめ。

須川展也のレコーディングを何度もプロデュースしている磯田氏だけあり、主要作品リストにサクソフォン作品が多く顔を出すのが嬉しいところ。

インドジフ・フェルド「ソナタ」

インドジフ・フェルドの「ソナタ」を初めて聴いたのは服部吉之先生のアルバム「Embraceable you」であった。服部先生から直接購入したアルバムで、他にパスカルの「ソナティヌ(ソナチネ)」にガロワ=モンブラン「音楽的練習曲」、クレストン「ソナタ」、生野裕久の委嘱新作(モレティとのデュオ演奏!)が入曲。作曲家自身が絶賛したパスカルの「ソナティヌ」に目がいくが、あえてフェルドに注目してみよう。

フェルドの母国チェコ・スロバキアの民主化革命に題材を採り、特に第二楽章には「自由の鐘(1989)」という副題が与えられている。サクソフォンの作品としては数少ない、メッセージ性の高い作品と言えよう。

楽曲全体を通して真っ向から取り組まれたレベルの高い演奏を聴くことができる。特筆すべきは第二楽章、録音の繊細さ(服部先生の息遣いまでも感じ取ることができる!)もあいまって異常なまでに集中力の高い音世界が展開されているのがよく分かる。さらに第四楽章、自由の鐘が回顧されるときの美しさといったら!民主化という事物に話題を求め、残酷なまでの美しさに昇華している点がすばらしい。作曲者、奏者の両方に大拍手。献呈者のユージン・ルソーの録音、さらにルソー門下のケネス・チェによる演奏もあるが、聴き比べてみると奏者の曲への没入度という点でやはり服部先生の録音が一番だと思ってしまうわけです。

2005/05/07

いろいろCDが待ち遠しい

横濱さんのページ(→http://klassiclover.nobody.jp/index.htm)と内容(バッハのインヴェンション二重奏譜とか)がかぶりました!インヴェンションをソプラノとバリトンで演奏するという発想はやはりサクソフォン人ならば誰でも持つものなのだろう。同じことを考える人がいるというのは面白いものだ。しかもこちらがまだ半分の公開なのに対し、あちらはほぼ全部公開完了している感じです。すごい。そのうちメールでご挨拶するつもり。

そろそろ雲井雅人サックス四重奏団の新アルバム「チェンバー・シンフォニー」が発売される時期だと思うのだが…まだかな。2/6に書いたが、このタイトル曲のスティラー作曲「チェンバー・シンフォニー」がお気に入りの四重奏曲のため非常に楽しみなのだ。原博巳の「PCF」もそろそろ欲しいな…棚田文則「ミステリアス・モーニングⅢ」はドゥラングルのアルバム「Japanese Saxophone」入曲の中で最高の傑作曲だと思う。それが原博巳さんによってレコーディングされることになるとは…楽しみ。

2005/04/30

新歓コンパで四重奏

4/28は大学の食堂でのコンパのさなか、四重奏で真島俊夫編「私のお気に入り」と「木星のファンタジー」を演奏してきた。「私のお気に入り」はおそらく今まで取り組んだ中で最高難度!何しろ真島俊夫編→トルヴェール仕様、ですから。楽譜に負けずに吹ききったうちの(自分以外の)メンバーのすごさを実感した。ソプラノ奏者Nは最後オクターヴ下げずに吹ききってHighA♭まで当ててしまうし、恐れ入りました…。「木星」はリードの調子が良かったせいかピアノの表現づけに気配りしながら吹くことができた。

新歓時期に一気にレパートリーの拡大を図ったのは収穫だった。おおよそ短期間で「私のお気に入り」を完成させられるレベルであるなら、他にもまだいろいろな事ができるはず…。いろいろなところから演奏依頼も来ているようだし今度は何をしようかな。

雲井雅人サックス四重奏団のサイト(→http://www.kumoiq.com/)にふらふらと行ってみたら「連載コーナー」に興味深い記事を発見。サイトウ・キネン・フェスティバルのコンサートの一つである「武満徹メモリアルコンサート」で「13人の奏者のための室内協奏曲」をやるらしい。サクソフォーンは雲井雅人氏。そういえばこの曲、去年のサクソフォーン・フェスティバルで聴いたっけ(サクソフォーンは大城正司氏)。浮遊感のある響きがなんとも得がたい快感をもたらしてくれる。近くに住んでいる方はぜひどうぞ。

2005/04/27

平野公崇「l'air」

平野公崇の新譜「l'air」を店頭で試聴して買ったのが4/3。渋谷のタワレコだった。冒頭一曲目、バッハの平均律クラーヴィア曲集第一巻第二番「プレリュード」の印象が鮮烈で、気付いたら手にとってレジに駆け出していた。試聴しなければきっと買わなかっただろうなあ。結果的に内容はなかなかのレベルだったので良かったですが。

平野公崇の演奏によるジャズのスタンダードやクラシックの名曲の数々はなんというか、新しい魅力が凝縮されたクールな音の世界。確かにジャズとしてのインプロヴィゼーションのセンスはアキコ・グレースの方に采配が上がるとは思うが、ここで聴かれるサクソフォンの即興はジャズで行われている「コードという枠」にとらわれたものではない自由闊達な歌…。非常にストレートで、潔く、美しい。

洗足学園音楽大学で毎週金曜日、4~6限に行われている「即興」の授業、ますます興味が沸いてきた。他校の人でも聴講するのは自由とのことなので、機会さえつかめられればぜひ観に行けたらなあと思っている。

2005/04/25

Saxcherzetのコンサート

遅くなってしまったが「サクツェルツェット(サクスケルツェット)」の公演の報告。洗足学園前田ホールはかなりの満員だった。出演しているサクソフォン奏者の方々の弟子、という感じの方が多く見受けられたかな。以前の松雪先生の門下発表会で知り合った方々にも2、3人会うことができた。

一曲目はヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第一番」。いやー、楽しそうに演奏しますね。冨岡先生のニコニコしながら演奏する姿を観てこちらも思わず笑みが。でもなんだかな、これだけ個性の強い奏者が集まってはいるが、ラージアンサンブルは個性が打ち消されているような気がしなくもない。という感じだった。ちょっとバランスも悪かったし(まあ結果的には杞憂に終わったのですが)。

二曲目、ソプラノ、アルト、テナー、ピアノでサミュエル・バーバー「思い出」。「アダージォ」ばりの哀愁をたたえたメロディが美しい。二宮和弘さんのテナーの音に惚れ込んでしまった。なんていうか、とても暖かい聴いていて幸せになれる音だった。

三曲目は「スカラムーシュ」!ラージでどんな響きがするか開けてみるまで分らなかったが、素晴らしかった!サクソフォン界の超有名曲であるせいか、お客さんの反応も上々。楽章間にはこれまた驚くような仕掛けが施されていて腰を抜かした。特に二楽章~三楽章にかけてのアレはいったい…張り詰めた緊張感の中で繰り広げられたそのパフォーマンスから三楽章の愉悦感への脱却の手法が見事。具体的にどんなパフォーマンスがあったかなんてここには書きあらわせません(笑)。ライヴで聴いた人の特権ですね。

休憩を挟んでピアソラ「ブエノスアイレスの春」、バーンスタイン「ウェストサイド96」。ピアソラは全国大会のときに聴いたアレンジに似ていたな…クヮルテット+ピアノで演奏されたウェストサイドは平野さんの強烈なビートを刻むバリトンに惚れた。完全に(ピアノを含め)リードしてました。最後の「マ・メール・ロワ」は純粋に音楽として聴くことができ、大満足。トップを吹いた冨岡先生のソプラノに心奪われた。

アンコールは池上政人さん演奏のカーペンターズ4曲に、おなじみ服部先生のチャールダッシュ(大喝采)。会場が大いに沸いた。チャールダッシュの時なんてまるで演歌ばりの拍手と歓声だったものな(前奏が聴こえた瞬間に「キャー!!パチパチパチ…」)。しっかりマシンガン・タンギングを堪能させていただきました。最後にスカラムーシュ変奏曲にて幕。終演後になんとか服部先生にもお会いすることができた。

夜も遅かったが、渋谷でSaxofourteの新譜(フランク・ザッパ入曲!)と\590の四重奏のガーシュウィンアルバム(意外と上手い)を購入してつくばに戻った。

PDFからHTMLへ

「ダイアリー」をhtmlで書き始めました。

2005/04/19

指揮ー!

吹奏楽の指揮振ってしまった、ああ恥ずかし。曲はリベラメンテ、木星のファンタジー、スペイン、舞子スプリングマーチ。それにしても久しぶりだったな…。改めて自分自身と指揮活動することの相性の悪さを痛感、というか人前に一人で出て行くのが生理的にやだな、という感じか。とにかく恥ずかしくてどうしようもないのだ。あまり外には出さないよう努力しているつもり(?)だけど。とりあえず指揮活動からは早く引退したい気分。ちゃんとしたクラシックを振れば少しは気分も変わるのだろうか。

明日は「サクツェルツェット(サクスケルツェット)」の公演。楽しみだ。服部先生に取り置きチケットまでお願いしてしまった。

2005/04/12

カザルス×ミュール×ブランデンブルク

「クラシック音楽へのおさそい ~ユング君のホームページ~」(→http://www.yung.jp/)というWebサイトがある。作者自身が公言する通り、さながら音楽版青空文庫を具現化したようなページである(著作権の切れた録音をデータベース化し、一般に公開しているというものだ)。貴重な録音も多いため、自分にとっては重宝するページである。ユーザー登録もしてあり、MP3ファイルをダウンロードして聴くことも多い。

さて、そのデータベースを巡回していたところ、なんとバッハ「ブランデンブルク協奏曲」のカザルス指揮プラド音楽祭のライヴ録音がリストにあるではないか!たしか1950年録音のはずだから、著作権が消失しているのも納得。この録音、一部のサクソフォン好きには有名な録音で、ブランデンブルク協奏曲第二番において、トランペットパートがソプラノサクソフォンで代奏されているというサクソフォン録音の歴史上重要な位置を占める記念碑的録音なのだ。しかもサクソフォンの演奏者はマルセル・ミュール(!!)。ノイズの中から聴こえるソプラノサクソフォンの音色は、すばらしい音楽で満ち溢れている。以前より所持しているPearlからの復刻CDよりも若干全体がクリアに聴こえるのは気のせいだろうか…?

カザルスがなぜトランペットではなくサクソフォンを選んだか理由には二つの説があるようだ。ひとつは、パリ・コンセルヴァトワールとセルマーが共同制作したミュールのインタヴューで語っていた記憶があるのだが、速く演奏したがったカザルスには、トランペットのクラリーノ音域における機動性の低さが不満だったようで、メンバーからカザルスに進言してソプラノサクソフォンを使用したという説。もうひとつは、原盤であるColumbiaへの録音を前提としたライヴ録音だったため、トランペットではレベル上昇による音割れの可能性があり、録音技師が進言してカザルスがソプラノサクソフォンへの変更を指示したという説。

どちらにせよ、サクソフォンが一つの歴史的事件に遭遇できたことを、21世紀の現在より回顧し嬉しく思う。

2005/04/11

ぎゃー、大失敗!

昨日のアンサンブル演奏でとちった。ウッズ「三つの即興曲」の第一楽章、最終部のテナーソロに出てくる最後のフェルマータHighF(Highといっても最高音Eの半音上、いちおうフラジオ音域)の伸ばしの音を外してしまったのだ!練習で失敗したことはなかったのに…。しかも新入生がいっぱい(芸術系サークル連合合同新入生歓迎ステージ)の中で…あー恥ずかしい!!そんなわけで昨日は早々に引き上げて、ショックと恥ずかしさで寝込んでいた。

バーンスタインの「アメリカ」と康英先生の「木星のファンタジー」がうまくいっただけでも救いか…しかしメンバーにはとんだ迷惑をかけてしまった。

2005/04/04

超豪華ラージアンサンブル

今日は松雪先生の門下発表会だった。渋谷のアンナホールでの本番で、デザンクロを吹いてきたのだが、とても充実した一日だった。夜も遅い(現在1:00am)のでその話はまた今度。とりあえずは下記の演奏会情報を(その発表会の打ち上げで以前松雪先生の門下で、現在は洗足学園サクソフォン科で池上先生に師事されている学生の方からコンサートの案内を頂いたのだ)。

マスターズコンサートシリーズ2005 Vol.1
スプリングコンサート 管楽器の名手達 「Saxcherzet」
出演:冨岡和男、池上政人、服部吉之、大和田雅洋、大城正司、岩本伸一、二宮和弘、平野公崇、原博巳
4/20(水)18:00開場18:30開演
洗足学園前田ホール
一般前売り2,500円 当日3,000円 学生1,000円
スカラムーシュ、マ・メール・ロワ他
お問い合わせ
http://www.senzoku.ac.jp/info/info_01.html

(上記ページ内のコンサートスケジュール4月~7月から辿れます)
団体名「サクツェルツェット」より推測するにラージ・アンサンブルだろうか?しかしこのサクソフォン奏者の顔ぶれ、すごすぎる…。

現在BGMは今日渋谷のタワーレコードで試聴して即購入した平野公崇の新譜「l'air」。すげえー。超サクソフォニスト級の演奏が繰り広げられている。

松雪明先生の門下発表会

昨日の門下発表会「スプリングコンサート2005」について。午前中につくばで軽く音を出したあと、渋谷へ。リハーサル前にタワレコで平野公崇の「l'air」(レール)とルソーのフェルド作品集を購入。アンナホールは初めて中に入ったけれど意外なほどに狭さに驚いた。サロンコンサートにとてもよさそうな感じ。

発表したのは尚美の現役音大生の方や大学生でアマチュアとして師事されている方、以前松雪先生の門下で、現在は別の場所で勉強している方、など様々だった。プログラムもクラシックの小品から、ドゥメルスマン、ハイデン、ミヨー、モーリス、ダンディ、そして最後に松雪先生によるベダールのファンタジー(圧巻!)と魅力的。ちなみにいまだかつて体験したことの無い緊張感の中で(小さい会場で、一級奏者の耳が揃うなか!)で吹く四重奏はちょっと異質な感じになった、と思う。録音しておけばよかったな。

それにしてもどの奏者も十分な技術を持ち、しかもとても素敵な方たちなのだった…。楽器をあれだけ吹けるというのはとても楽しそうだ。松雪先生に演奏を直に接したのは初めてだったがソプラノの低音域のイメージを覆すpにおける完全なコントロールと美しい音色にはずいぶんと感動してしまった。

終わったあとは打ち上げ!アマチュアの方のプロフィールを聞いてみるとラージアンサンブルで有名なエスポワール・オーケストラの方とか、千葉大の吹奏楽部でやっていた方、などいろいろ。また、洗足学園の音大生の方たちからたくさんお話を聞くことができた。ダンディを吹いた方はなんとパリでヴァンサン・ダヴィッド(!!)とクリスティアン・ヴィルトゥ(!!)にレッスンを受ける機会を得たこともあるとか。それから、昨年度より洗足学園で開設されているという平野公崇氏の即興の講義に関する話(講義内容とか試験とか)はとても興味深かったのだった。さらに康英先生の洗足での教えっぷりも聞くことができた。

いろんな人の音に接して、いろんな人とお話して、大きな刺激を受けまくった一日だった。

2005/03/30

服部先生のコンサート情報

さきほど服部先生から4/2の銀座でのDUO服部コンサートのお知らせを直接頂いたのだが、あいにく自身の本番で行くことができない!残念…。

・ミューズの森~銀座十字屋シリーズコンサート
出演:服部吉之(sax)、服部真理子(pf)
4/2(土)13:30開場14:00開演
銀座十字屋ホール(十字屋ビル9F)
前売4,500円 当日5,000円(ワンドリンク付き)
プロヴァンスの風景、チャルダーシュ他
お問い合わせ
ミューズの森鎌倉事務局 0467-32-0079
http://www1.odn.ne.jp/~musenomori/42/42.htm


サクソフォーン協会後援の催しにも載っていないし全くノーチェックだったのだ…もっと早く知っていればよかった。あぁー…本当に残念極まりない(;_;)!!

ジョリヴェ「赤道協奏曲(ピアノ協奏曲)」

アンドレ・ジョリヴェのピアノ協奏曲、通称「赤道コンチェルト」の音源を入手。アフリカ、極東、ポリネシアという副題が付けられた各楽章ごとでの、ピアノと打楽器の暴力的なまでのパッセージの応酬が聴きモノ。今回入手したのはエルネスト・ブール指揮ストラスブール放送交響楽団の演奏(SOLSTICE SOCD81)。ピアノはリュセット・デカーヴ。

サクソフォンがオーケストラの中に入っている(アルトが一本)ということでも興味を惹かれていた曲だし、ジョリヴェのトランペット協奏曲第二番大好きな私にとっては入手をかなり楽しみにしていた曲。終始怪しい雰囲気が漂いつつ随所に見られるクラスターが刺激的だ。

他に聴いてみたいものはEMIから復刻された二枚組のジョリヴェ作品集。指揮者とソリストは同じだが、オケはシャンゼリゼ劇場管弦楽団。そしてなによりジョリヴェ指揮パリ音楽院管弦楽団(ということはサクソフォンは…)の演奏。ピアノはフィリップ・アントルモン。CBS SonyよりLPで発売され(CBS SONY 13AC 1059)、復刻されていないもののクレジットを見るだけで食指が動く。ジョリヴェ生誕100年の今年、ぜひ復刻されることを願いつつ。

2005/03/28

アンコン終了…

3/15より、新潟で吹奏楽団合宿(演奏旅行)→埼玉で全国大会→合宿先に戻る→合宿終了後実家へ、などというスケジュールにより、更新が滞っていた。

全国大会の結果は銅賞。いくらマイナス要因が多かったといえとにかく悔しくて、その夜合宿先へ戻ったあと大泣きした。なんだか自分たちが七ヶ月やってきたことを全否定された感じ。講評が書いていなくて(審査結果は点数のみなのだ!)、これからその結果をどう昇華していけば良いのか…という何かやりきれないモヤモヤが残ってしまっているのも辛いところ。四重奏で活動を続けていく限りやはりこれからの指針が欲しかった。単純に実力不足ということかな…もっと練習していかないと。

でも、合宿中のそんな忙しい中でもいろんな人との関わり合いに価値を見いだすことが出来たり、様々な発表の機会を持つことが出来たりと良い事もたくさんあったのだった。とくに研修所の管理人のおばちゃんには本当にお世話になった。来年も行きたいな…。

実家では旧友に会ったり家でゴロゴロしたり。明日にはもうつくばに戻る事になる。戻ったらスカバンドの練習、そろそろ履修申請(ん?まだか?)、あとなにより(いいのか?)クヮルテットの練習。新歓のプログラムは真島編の「私のお気に入り」、康英先生編「木星のファンタジー」、ウッズ「三つの即興曲」から第一楽章。重い。…あ、その前に4/3にアンナホールで本番がある!こちらも楽しみ。デザンクロはその本番までか。

2005/03/11

平野さん演奏の湯山昭「ディヴェルティメント」

我がT大学の図書館は如何せんCDが少なくて困る…音楽教育科が無いからなのかどうなのか。とにかく聴きたい曲(=サクソフォーンの曲)がなかなか見つからなくて苦労するのだ。基本は押さえてあるのがせめてもの救いか。玄人受けするものを少しは増やしてほしいものだが。

さて、そんな先入観を持っていたため今まで図書館の蔵書検索で「saxophone」などという単語を検索したことは全くなかったのだが、ふとかけてみたところ、なんと湯山昭「マリンバとアルトサクソフォンのためのディヴェルティメント(1968)」収録のCDが検索に引っかかったのだ!嬉しくなって早速借りてきてしまった。

この音源、私の所有音源はジョン・ハールがエヴァリン・グレニーと演奏しているものだけで、他に出版されているものとしては初演コンビの宮島基栄&安部圭子や須川展也&山口多嘉子、渡辺貞夫&吉川雅夫のものなどがある。さてこの演奏は誰かな、と期待してライナーを開けてみたところ、なんと平野公崇!(マリンバは石崎陽子)。実はこのCD「日本の作曲・21世紀へのあゆみ」というコンサートシリーズを収録したライヴ盤のうちの一枚である。

25回(!)にわたって150(!!)近くの邦人音楽作品を紹介したこの催しは各回で一流の音楽家を起用し、知られることの少ない邦人作品を高いクオリティで一般聴衆に紹介している(なんだかサクソフォンフェスティバル2004の薫りがしますね)。ディスクによってムラはあるが、ライブとは思えない演奏の質&ライブならではの演奏の気迫がバランスよく同居する様は見事。ライナーの解説が詳しいのも◎。お目当ての平野公崇氏の演奏も、音場が遠めながらかなり熱の入った取り組みで、好感が持てる。マリンバが若干ずっこけ気味なのが玉に傷か。

なかなか知られていない音源を発掘できて、なんだか得した気分。併録の甲斐説宗作曲のヴァイオリン作品も短時間ながら充実した作品で、面白く聴けた。

2005/03/04

グルダ「チェロ協奏曲」

グルダのチェロ協奏曲について。アルゲリッチとグルダの息子たちの来日公演プログラム「グルダを楽しく想い出す会」の一曲としてゴーティエ・カプソンのソロで演奏され、さらにNHK教育の芸術劇場でその模様が録画放送され一躍有名になった(?)曲。友人からこの曲の存在を知らされ、いろいろ調べているうちに音源も入手することができたのでこの曲についてちょっと書いてみたいと思う。

作曲者のフリードリヒ・グルダ(1930 - 2000)は16歳にしてジュネーヴ国際コンクールに優勝し「ウィーン三羽鴉」と呼ばれたピアノの名手でもあるらしく、ベートーヴェンのソナタ全曲録音やモーツァルトのソナタ集録音は特に評価が高いようである。クラシックピアノの演奏だけではなく、ハービー・ハンコック等ジャズ奏者との共演や作曲にも傾倒し様々な活動を展開した。このチェロ協奏曲はそんな彼のクロスオーバーっぷりが遺憾なく発揮されたまさに「楽しい」作品である。伴奏は、木管セクションがフルート、クラリネット、オーボエ、ファゴット、金管セクションがトランペット、ホルン、トロンボーン、テューバ、それにドラムス、ウッドベース、パーカッションのリズムセクションという異常な編成。といってもポップス風の吹奏楽セクションの伴奏によるチェロ協奏曲と言ってしまえばそれまでか。ん、サクソフォンが無いな…。

第一楽章のチェロとブラスセクションがジャズ風に呼応する様、第三楽章の無伴奏超級カデンツァ、第五楽章は…なんか能天気さが潔い。音楽的に素晴らしいかと言えば必ずしもそうではないのがなんとも苦しい(笑:実際グルダもあまり気に入っていなかったようだ…)が、様々なジャンルを縦横無尽に駆け巡るチェロの独奏はとても楽しいものだ。肝心の音源が手に入りづらいが、現在最も手に入れやすいのはチェリストであるUwe Hirth-Schmidtの公式ページ(ただしドイツ語→http://www.jtt.info/)にある全曲のMP3ファイル。左のメニューBibliothekからmp3 Audio→Gulda-1991とたどっていくことでファイルの置いてあるページにたどり着ける。他の音源としてPhilipsから出ているグルダ指揮、シフ(チェリスト、委嘱者)演奏のものも聴いてみたい気がするが…?

2005/02/27

服部先生レッスン

小出郷でサンジュレが演奏できなくなってしまった。まあしょうがないか。

今日は服部先生にわざわざ鎌倉から車で来ていただき、デザンクロのレッスンを受けることができた。いろんな先生に見ていただけるのは幸運だし、上手く吸収していけばとてもよい刺激になる。今日も新しい発見がいろいろあった。スラーの意味を上手く捉えること、音の密度のコントロール、ヴィブラート、スタッカート等々。アンサンブル四人で→お昼→個人で、とレッスンをしていただき、なんとじっくり5時間以上も!みて頂いた。

服部先生の演奏(音だし?)を間近で聴くことができたのも収穫だった。キャトル・ロゾーのバリトンなイメージが妙に強いが、アルトの音の美しさ、テクニックの高さにも舌を巻いた。使っているMarkVIIの初期モデルはもうキーの金属が磨り減ってタンポの金属部分につぎたしをしてあるという代物だった。すげー。ファンタジアとか、パスカルのソナチネとか、プロヴァンスのカデンツァ部分(超高速)を美しい音色でさらさら吹いていた。

お昼のときに、服部先生が審査員を務めたコンクールである第三回のアドルフ・サックス国際コンクールの話を伺うことができた。本選の様子は非常に興味深い内容であった:選択曲は原博巳さんがラルソン(ラーション)の協奏曲、他全員がマルタンのバラード。やはり演奏する機会が多いだけに選択曲ではほとんど差がつかなかったらしい。明暗を分けたのはロッサム作曲の課題曲。服部先生曰く原さんの演奏は「完璧な」演奏だったらしい。なんせ演奏が終わった後に審査していたロッサムが「なぜこの曲をあんなに完璧に吹けるんだ!?」と言ったくらいだそうで…。それともう一つ、原博巳さんは服部先生に師事したことがあるので服部先生は原さんに関しては審査できなかったらしい。…などなどいろいろな話をお聞きすることができました。あー楽しい一日だった。

2005/02/23

サンジュレさらい中

朝の練習の後、午後三時ごろからも練習できた。さすが昼間~夕方にかけてはよく楽器が鳴るし、指も回るしといったところ。吹いてていつもより楽な感じがする。サンジュレも合わせ始めてみたが、どうもロンデックス改訂版(Molenaar Edition)のアーティキュレーションが邪魔でうまく吹くことができない。どこかで聴いた話だが、普通この曲をさらい始めるときはアーティキュレーションを無視するのが暗黙の了解だとか。オリジナルの版には第一楽章の最初の和音の伸ばしも入っていないというし。

昔どこかで聴かせてもらったQuatuor Ars GallicaのCDではなんとオリジナルの版が使われていて、最初の和音は省略されていたはず…。話をそらせば、このCD、変な日本語訳がついている。さらに話をそらせば、このCDに入っていたムラエールトの四重奏曲の楽譜をついに入手できたのが最近のことである。

夜は、支部大会のビデオが届いたのでミニ鑑賞会を開催。ラベルに間違い発見。だから茨城大学じゃないっての。たしか表彰式でも間違われたよな。それにしても妙なカメラ流しで写すなー。

2005/02/21

Googleにクロールされた~

ついにこのページがGoogleで引っかかるようになりました~。小一時間、Googleで検索して遊んでしまった。「インヴェンション サクソフォーン」とか「フーガの技法 サクソフォーン」とか「マウンテン・ロード マズランカ」といった、普通の人だったらちょっと調べそうにないキーワードで入れると上位に出てくるようだ。

2005/02/20

今後に向けて

小出郷の幕前アンサンブル曲が決定。サンジュレ第一番の第四楽章。ベタな選曲だなあと思いつつもこちらもさらわないと…。サンジュレに取り組むのは自分でも意外なことに初めてだが、クヮルテットの音色を調整するのにちょうどいい選曲かもしれない。第一楽章も捨てがたいが。

春は新歓のシーズン、というわけでレパートリーの拡大が今春の目標。とりあえず新歓関係のコンサートの出演予定が2つ。自主公演企画もまだアイデアの段階ではあるが、ひとつの目標としてある。できれば学園祭のときに小ホールで一回、それから来春に引退演奏として市の小ホールで一回開くことが出来れば、というところである。「マウンテン・ロード」や「ジュライ」あたりどんどんさらっていきたいところではある。しかし大会が終わらないことにはなかなか。

フリーながら音質の高さに定評のあるAudioActive Decorderを導入。とあるプラグインを使うことでデコード部分をWinampから直接利用できるようになる。ちょっと重たいのが難点か。…何気なくパソコンの中にMP3で保存してあるルソー演奏のクレストン「ソナタ」をかけたら、最初のワンフレーズEs-Cis-B-H-Es~に鳥肌が立った。気のせいかもしれないが?、しかしまあびっくり。

2005/02/15

「マウンテン・ロード」楽譜到着!

「マウンテン・ロード」楽譜をついにゲット!あーもうホント幸せです。やっと更新が再開できる(あんまり関係ないけど)…。さっそく、今日サークルの時間にアルトの子を捕まえて第3楽章の伴奏だけ音出しをしてみたが(とりあえずなんとか初見で通した)ところどころ「おっ」と思わせる素敵な響きが散りばめられていて楽しかった。明日の朝練習のときにでも第1楽章と「人はみな死すべきもの」の音出しをしてみよう。…Fis-Durなんですね、この曲。

今回入手にいたるまでの手順はある意味「最終手段」とも言えるもので、その方法はこんなところに書けたもんじゃないが、頑張ったことでとりあえずいろいろ勉強になりました。今度暇なときに「マウンテン・ロード」のことをつらつら書こう。

2005/02/10

朝練習再開

ようやくマズランカの「マウンテン・ロード」の楽譜を手に入れる目処がついた。よかった。「マウンテン・ロード」の話題はまたいつか。

今週からアンサンブルコンテストのために朝練習を再び開始した。以前よりは寒くなくなって朝起きて練習場所まで行くのが少し楽になったかなという感じ。煮詰まった末にTSEに出会い、ようやく全国大会に向けてやることが見えてきたようだ。楽器を吹くことへの意識の改革が必要とも思われるくらいの難しいことにチャレンジしなければいけないが、真に魅力的な演奏に向けて頑張っていきたいと強く思う。一期一会、このメンバでしか創りだすことのできない素晴らしいクヮルテットを目指して。

2005/02/07

ホルスト「惑星」聴いてます

部屋で聴く音楽はころころ変わるもので、ハールを聴いていたかと思えば突然Saxofon Concentusを聴いたり、サクソフォン曲を聴いていたと思えば突然オーケストラ曲を大量に聴いたりと、自分で言うのもなんだが結構移り気にいろいろ聴いている。

昨日友人宅に行ってCDラックから「惑星」を見つけ出し、借りてきた。しかもカラヤン&ウィーンフィルの1961年録音版。大笑いしてしまうところもあるが、CD全体を支配している豪快な音楽の流れは確かにカラヤンしか創り出せないものなんだろうと思ったり。この演奏で「惑星」の人気が出たというのもうなずける。ウィーンフィルってまじめに聴いたことなかったけどこんな音なんだ、と再認識。

よく取り出すのは「火星」「木星」…とここまでは普通であるが「土星」もいっしょに聴くことが多い。というか「土星」が一番好き。初めて聴いたときは(確かサー・コリン・ディヴィス指揮の盤だった)「火星」「木星」ばかり聴いてたが、いつしか「土星」の印象的なコード進行というか例えようのない暗い響きに魅せられてしまっていた。ホルスト自身が最も気に入っていた楽章も「土星」だったという。

2005/02/06

Saxofon Concentus賛

あれ、2/5に書いたものが消えてる。保存する前に強制終了してしまったようで。おまけに何書いたか忘れてしまった。

以前書いたSaxofon Concentusのアルバム。最近こればっかり聴いている。シュミットの「四重奏曲」なんて進んで聴く演奏はデファイエ四重奏団のものしかなかったのに、今ではこればかり。第一楽章冒頭、テナーの作曲家の意図を汲み取ったような吹き方。最初は押し付けがましく感じたけど、だんだん気にならなくなって、ついには「ここはこういう解釈じゃなきゃ!」と思わされてしまった。続く第二楽章の超高速演奏も然り。まあ、とか何とか言ってデファイエの演奏聴いたらまたそこから離れられなくなってしまうのでしょうが。ゴトコフスキーの「四重奏曲」なんて初めて聴いたけれど、第一楽章のちょっと哀愁を帯びたメロディを淡々と歌い上げる様にはなんか心動かされるものがあったし、第六楽章は「信じられない」テクニック。速いの何の。

しかし手に入りにくいのだ、このアルバム。もっと流通して欲しいと思う。SIMAXってノルウェイのレーベルなんだよな。ちょっと日本からは遠すぎる…か(笑)。国内では、北欧系のレーベルに強いノルディックサウンド広島(→http://www.nordicsound.jp/)に注文するか、アマゾンのユーズド製品を狙っていくのがオススメです。

今の悩み:小出郷吹奏楽フェスティバルの幕前曲&新歓のアンサンブルで、何を取り上げようか。デザンクロに固執し続けるのもちょっと、ね。もう少しレパートリーも欲しいし。

スティラー「チェンバー・シンフォニー」

アンドリュー・スティラーの「チェンバー・シンフォニー(室内交響曲)」というサクソフォーン四重奏曲がある。雲井雅人サックス四重奏団が定期演奏会で取り上げ、話題になった。手元にある音源の中ではAmherst Saxophone Quartetの録音がおそらく唯一。ライナーによると「セリフ」ではレコーディングプロデューサーが参加しているようだ。

ミニマルの薫りをさせながら機械的な、しかしどこかしら人間的なパッセージが交錯する第一楽章、そして第二楽章のメロディの美しさとメッセージ性の高さ!短い第三楽章のメヌエットを経て、再びミニマル調をとる高速な第四楽章に突入する。執拗なまでの主題変奏の応酬の後、強烈なスケールを伴う微分音を含んだ第二主題、再現部とバリトンの30秒にも及ぶ無伴奏インプロヴィゼイション(何も書いてない)を挟み、再び第一主題に戻り、その狂気のような変奏の勢いを残したままあっけなく曲は終わってしまう。

とまあ、外観は少々異常だがなかなかいい曲。雲井雅人サックス四重奏団に献呈されたという「Two Fixed Forms Unfixed」とあわせて、興味がわいている曲の一つであります。楽譜はアメリカのKallisti Music Press(→http://home.netcom.com/~kallisti/)から楽に手に入れることができる。思い切って買ってしまおうかな…いや、でもその前になんとしても「マウンテン・ロード」を手に入れないと。

2005/02/04

インヴェンションを移調しながら

数日前に「フーガの技法」のアップロードがひと段落着いたので、次は何にしようかなあと思案したのち、「2声のインヴェンション」をソプラノ&バリトンサクソフォーン用に書いた譜面を公開していくことにした。私はピアノを弾くことが出来ないが、この譜面は練習室や図書館にごろごろしており、ずっとなじみ深いものなのだ。移調しなくてもほぼ読める下声部をバリトンでさらったこともある。

そういや今のクヮルテットが確立する前に一時期ソプラノとバリトンのデュオをやってみようかと思案していた時期があった事を思い出した。新入生が入ってきたことでクヮルテットを組んだため完全に流れたけど。レパートリーとして構想していた曲に、ベルノーの「ソナタ」や酒井格先生の「かわいい少女とパパのステップ」そしてこの「2声のインヴェンション」があったはずだ。バッハの曲が持つ、心にストレートに入ってくる響きには当時から魅せられていたため、単純ながらもたった二声で厚い響きを生み出す「インヴェンション」のスコアには心が躍ったものだ。…この曲を改めて二声のサクソフォーンのために浄書しながらそんなことを思い出していた。

全曲の公開時期はまだ未定だが、少しずつ増やしていきたいと思う。

2005/02/03

ひとまず、ほっ

楽器修理の予約完了~…一週間以上先になってしまったが、この時期音大の受験シーズンとかぶってしまっているししょうがないだろう。しかし2/14まではまともな状態で吹けないのが苦しい。とりあえず調整だけしてもらって、管体が曲がっていたら後日改めて…ということになるらしい。うう、気分が晴れないなあ。お金もかかるし。

吹奏楽のための「リベラメンテ」の解析に取り組み始めた。…がなかなか進まず。全音半音全音半音の繰り返しで下がっていくモチーフがなんともおもしろい。

2005/02/02

フランスでは…

「フランス人は年寄りを大切にしない」というのはよく言われることで、そのおかげで革新的なものが多く生み出されるのだが、日本人の好きな「古き良き時代」のものがフランス国内でどんどん失われていく。音楽に関してもそうで、サックス吹きである私なんかはミュールとかデファイエの演奏がフランス人の記憶から失われつつあることに寂しさを覚える。

言わずと知れた吹奏楽団「ギャルド・レピュブリケーヌ」が来日したとき、団員たちが東芝EMIの復刻版演奏を大量に買い求めたという話。日本では復刻されているのに、お家元のフランスでは復刻されていないのだ!その団員たちで構成されるギャルド自体も、今では昔とは違うギャルドになっていることは皮肉である。昔の音を生で復活させようとする動きはもはやない。

とあるサクソフォンの国際コンクールで「一位なし」が出た。審査委員長はパリ警視庁音楽隊の若きコンサートマスター。たまたまその場に居合わせたミュールが「一位なしはちょっと厳しかったんじゃないか?」とその審査委員長に言ったところ、彼は「あなたは黙っていてください。あなたの時代は終わったのです。」と返したという。

サクソフォーンフェスティバル2004レポート

今日はちょっと時間ができたので昨年12/22のサクソフォンフェスティバル2004の感想でも。

平日に行われているイベントのため当初は行く気がなかったのだが、とあるコネでイベントの一つであるサクソフォーン四重奏のクリニック(講師は服部吉之先生!)に参加できることになり、授業を自主休講(サボリ)までしてクヮルテットの四人で行ってきたのだ。アンコンで茨城県代表を頂いた直後で、服部先生に顔向けできる~とほっと?していたころの事だ。バス~電車~電車と楽器を担ぎながら乗り継いだ多摩までの道のりはなかなか遠かった。

クリニック前団体の多摩川学園高等部もデザンクロの第三楽章をやっていた(高校生であれだけ吹けるなんて!)。そして私たちの番。全体のテンポ設定を直していただいたり、フレージング感を重視した解釈にする方法を教えていただいたりと、一時間だけだったが熱く(ほんとに熱い)指導していただいた。この一時間がなかったら東関東大会を抜けることはできなかったかも知れない。

クリニック後、服部先生の楽屋にお邪魔して二時間近くいろんなお話をした。印象的だったのは「倚音」の話やベルノーの「ソプラノサクソフォンとバリトンサクソフォンのためのソナタ」の話。服部先生はフランス留学の際にデファイエやテリー、ルデュー、モレティと親交を深めていたようでそれらの関わりから多くの貴重な体験をされたようである。最後にサインもしていただいた。

そしてフェスティバルコンサート会場の大ホールへ移動。ホワイエで康英先生を発見し、ちょっとだけお話しした。なんでも康英先生作曲の「協奏曲」の再演を聴きに来たらしい。このコンサートのためにピアノ2台版への編曲をしたとか。

「協会員によるコンサート」は須川さんの吹くベリオ「SequenzaVIIb」から聴くことができた。生でセクエンツァを聴くのは初めてだったが、いやーすごかった。伴奏はチェロの持続音ではなく、電子音がホールのスピーカーから流れていた(その持続音がちょっと大きくて…うーん)。「トルヴェールの惑星」は「木星」と「地球」の抜粋。この曲をライヴで聴けたのは良かったかも。CDで聴くとどうも魅力が分らないのだが、ライヴですぐそこから感じ取れる迫力はトルヴェールならでは。トルヴェールメンバーもとても楽しそうに演奏していた。

そしてメインプロ「日本人作曲家のサクソフォーン作品」。将来にわたり決して実現しないであろうサックス界にとって一期一会の画期的なプログラムだった。武満徹「13人の演奏者による室内協奏曲」、入野義明「七つの管楽器のためのディヴェルティメント」、湯山昭「マリンバとアルトサクソフォンのためのディヴェルティメント」、石井真木「オルタネーションⅠ作品58」、野平一郎「サクソフォーン四重奏曲」、新実徳英「風韻Ⅰ」、伊藤康英「協奏曲」。

湯山「ディヴェルティメント」はスターリングシルバーを携えた田中靖人さんが演奏。じっくりと進める演奏が好みなのでちょっとせかせか進みすぎかな?と感じながらも楽しそうに前へ前へと進んでいく田中さん。マリンバの浜まゆみさんの演奏中のオーラがものすごい。「オルタネーションⅠ」。林田和之さんてこんなに上手かったのか!というか、何だこりゃ、曲の難しさは分るのだが、常軌を逸したテクニックによって演奏不可能作品ということを全く感じさせない…なんか自分の吹いている楽器とは違うような、いや言葉で表すのは無理かという完全な演奏(→意味不明。とにかくすごかったのです)。今回のコンサートの一番のヒット。

休憩を挟んで「サクソフォーン四重奏曲」へ。曲の存在だけ知っていて以前から聴きたいと思っていたのだが、これまたスリリングな曲想。「アンサンブル」というより「ソロ×4」て感じ。田村真寛演奏の「風韻Ⅰ」。まだ芸大三年生(若い!)とのことだが堂々たる演奏であった。彼の演奏をもっと聴いてみたいと思った。トリは康英先生の「協奏曲」を須川さんの演奏で。不思議かつ雄大な音空間が会場を満たし、貫禄の演奏、大きな拍手!やはりメインはこの人と感じさせるようなすばらしい演奏であった。

その後、池上政人さん指揮のサクソフォーンオーケストラで「エスパーニャ」やショス5の第四楽章を聴き、充実した気分で会場を後にした。その日は東京の友人宅に泊めてもらい、次の日につくばへ。2004年の最後を締めくくるともいえる充実した時間を体験することができ、本当に嬉しくてたまらなかった。

2005/02/01

PDFで楽譜公開

「クセロPDF」(→http://www.xelo.jp/)「PrimoPDF」(→http://www.primopdf.com/)をダウンロード。このソフト、仮想プリンタドライバとして動作し、印刷機能のあるソフトウェアのドキュメントならなんでもPDF形式に変換できるというスグレモノなんだとか。しかも両方ともフリーウェア!ソースネクストの「いきなりPDF」の存在を知って、フリーで同じ機能を持つものを探していたのだ。

このソフトを使って何が嬉しいかというと、Finaleで書いたデータをPDFにコーディングできるようになること。そこで、今までFinaleでサクソフォーン四重奏用に書きためていた「フーガの技法」の楽譜をいくつかPDF形式に変換し、サイトで公開することにした。「フーガの技法」はNew Century Saxophone Quartetの演奏を聴いて以来大好きな曲で、サクソフォーン用の楽譜を探したのだがどうしても見つからなかった(せいぜいLemoineから出版されたBernard Bailly de Surcy編のContrapunctus1~5があるくらい。しかもキーはG♭ですごく吹きづらい)。

そこで、「まともな版がないなら自分がやるしかない!」と思い立ち、以来、暇を見つけてはサクソフォーン四重奏用(SATB)のために原調での移調作業を進めていたのだ。とりあえず何曲か変換してアップロードしてみた。「クセロPDF」の方は変換の際に広告ページが表示されるのだが、ちゃんとPDFドキュメントは出来上がるし、まあ御愛敬。

ユーズド製品で、Saxofon Concentusの「Premiere Quatuor」

最近Amazon.co.jp(→http://www.amazon.co.jp)の「ユーズド製品」が熱い。本来ならばカスタマーが出品をする場所なのだが、caiman_americaという店が各種CDの在庫を大量に出品しており、ふつうアマゾンでは手に入らないような品薄品や廃盤などが手に入るのだ。しかも新品でアマゾンの値段より安い!ドイツ経由でマイアミから送るため、時間がかかるのが難点だが(といっても長くて二週間ほど)。

さっそく今年の初めにSaxofon Concentusのアルバム「Premiere Quatuor」を注文。在庫があったらしくだいたい一週間で届いた。サンジュレ、シュミット、ゴトコフスキーの精緻な演奏を聴けるCDだということで知って以来二年間、ずっと探し続けていたものだ。しかしこれはすごい演奏だ。サンジュレのような曲だとところどころ音の厚みが欲しくなるところはあるものの、シュミット、ゴトコフスキーの「四重奏曲」のようなフレーズを散りばめてあるような曲での演奏の説得力の高さというったら!こんな演奏他ではなかなか聴けないだろう。ゴトコフスキーの第六楽章「終曲」のテクニックも圧巻。シュミットやゴトコフスキーは演奏してみたい曲の一つだけど…こりゃ半端に取り組むと自爆しそうだなあ(笑)来年のアンコンでやってみようか。

2005/01/31

アンサンブルコンサート、TSEとの出会い

吹奏楽団のアンサンブルコンサート。一番大きな出番はデザンクロの演奏だったが、ノバホールで吹く心地は他のいろいろの会場とまた違った感覚だった。アルト聴こえないー。

他の出演団体で印象に残ったのはやはりTSEの演奏。吉松隆「アトムハーツ・クラブ・クヮルテット」をギターデュオ版から編曲したものだったが、私たちの演奏とはまた違った強烈な個のぶつかりから生み出される音楽には圧倒させられた。おもしろそうだし挑戦してみたい気はするけど、吉松氏の言う「70年代ロックのエレギの音」というのには程遠い演奏になってしまいそうだ。ウチのクヮルテットにはやはりハーモニーの美しさで勝負する曲がぴったりくるのか?

アルメニアンダンスもすごかった。TSEのソプラノ奏者、Iさんが指揮を振るからこそ集まったゴールデン・メンバーによる演奏。ぜひ乗ってみたかったけどやはりサックスパートもゴールデンメンバー揃いで全く無理なのでした。演奏はもちろん、とても良かった。

TSEのメンバーの方にfさん(アマチュアサックスの世界でfさんと言ったらもちろんあのfさんです)を紹介していただいた。しかも今日はアルメニアンダンスにバスサックス!での出演のために来たらしい。いろいろお話させていただいたきました。

打ち上げでは飲みすぎました。おかげで二次会に行けなかったよ…残念。

2005/01/30

プロコンのエキストラ

管弦楽団のプロムナードコンサートに賛助出演。曲はクリフトン・ウィリアムズ「交響組曲」。最初はテナーサックスの都合のせいでしぶしぶ乗っていたけど、曲の面白さとかプレイヤーの上手さとかあいまってどんどん楽しくなった。本番は張り切りすぎたほど。貴重な経験になりました。暇な時間に吹奏楽の友達と西武やロッテリアに出掛けるのもまた楽し。金管アンサンブルの「Buzz Brass Ensemble」、超絶に上手かった。なんだあのタンギング。管弦の人(たぶんヴァイオリン弾き)が後輩のアルトサックスを借りて、楽屋で突然サックスを吹き出したのだが、これがまた上手くてびっくり!「プロヴァンスの風景」の「あぶ」吹いてたぞ。すげぇ。あー目から鱗がたくさんだったよ、昨日は。

サクソフォン吹きとしてはやはり「管弦楽」にコンプレックスを抱いているので、このような機会があるのはちょっとうれしい。本当のところを言えば、オーケストラのエキストラに乗りたいところだけど。死ぬまでに一回でも「ボレロ」は吹きたいなあ!管弦楽団の友達に頼んでみようか。あとクランポンのアルトサックスを使って「アルルの女」とか、テナーでジョリヴェの「トランペット協奏曲第2番」とか(無理)。

2005/01/29

楽器落とした…!

楽器を壊してしまった。数日前に「大切に使っていきたいです」と書いたばかりなのになあ…。肩掛けを使って運んでいたら、肩から滑り落ちて落下。ハードケースだから大丈夫かな、と思って吹いてみたら左手操作部のバランスが大いに狂ってしまっていた。あわてて閉店間際のWinds-Uに電話、店を閉めるのを待ってもらって、友達に車出しを頼んで行ってきた。およそ一時間の修理の末、なんとか音がまともに出る程度には回復。よかった~。修理代¥5250はちょっと高かったがまあ致し方ないだろう。次の大会までに一応野中の菊池さんのところに持ち込んで修理を頼むことにした。いろんな人にご迷惑おかけしました。リペアマンのおじさんは今晩ふぐ刺しの予定だったらしい、ゴメンナサイ!

楽器にもごめんなさい、と謝りました。楽器に申し訳ない気持ちがいっぱいだった。今日はこれから管弦楽団のコンサートの賛助出演。病み上がりだが何とか頑張ってこよう。
そういえば、カウンターが少し回っていた気がする。

2005/01/27

ロンデックスの吹く「PCF」

ジャン=マリー・ロンデックスの吹くデザンクロの「プレリュード、カデンツァ、フィナーレ」の音源をなぜか持っている。どこで手に入れたか全く覚えていなくて(高校のときに部室にテープかなにかがあったんだっけ?)気がついたら普通に聴いていた。そんなわけで私の中ではこの演奏がこの曲のスタンダードである。

手元のデータを見ると原盤はCrest RE7066で録音は1976年。録音状態は必ずしもよいというわけではなく、チリノイズが多少見受けられたり不満が無いわけではないのだが、しかしこいつは見事な演奏だ。技術的に破綻が無いのはもちろん、強奏部分での雄弁な語り口、一転弱奏でのしなやかな音色は他のどの録音でも聴けないものである。どうもロンデックスというとデニゾフの「ソナタ」を委嘱したり、Ensemble Intenational de Saxophonesの指揮者をしたりと1970年以降現代音楽に傾倒していったイメージがあるのだが、メロディアスな歌い上げを超有名オリジナル曲で聴くことが出来る貴重な音源の一つなのだろう。しかももしかしたらこの音源は「プレリュード、カデンツァ、フィナーレ」の世界初録音じゃないのか?

ロンデックスはかなり多くの録音を遺しているようで、他にもEMI Franceの復刻版とか、他にも手軽なところではSaxAmEというサイト(→http://www.saxame.org/)で抜粋録音を聴くことが出来る。SaxAmEのラインナップはイベール「小協奏曲」、シュミット「伝説」、ボノー「ワルツ形式による~」、さらにモーリス「プロヴァンス」の管弦楽伴奏版など。もちろん全て抜粋だが。うーん、ぜひ全曲聴きたいところ。完全な形で復刻してほしいぞ!

PCFもよくよくデータを見るとこの盤のSideA Track4とのこと。ほかのトラックも聴いてみたい!どなたかこのCrest盤、お持ちでないですかねえ。

2005/01/26

コンクール曲決め

昨晩トレーナーの先生がいらっしゃったので指揮者で集まって夏のコンクールの曲を決めた。課題曲は5番「リベラメンテ」、そして自由曲はバルトーク「中国の不思議な役人」に決定。

今年はいわゆるマーチの年。リベラメンテはその中でも特異な曲で、モーダルな主題がメカニカルに楽器間で交換されつつ高速で曲が進行してゆく。拍子はあるもののあくまでガイド的なもので、実際のパッセージはかなり変拍子的なもののようだ。作曲者による音遊びを吹きながら満喫できる佳曲。役人は、始め方を変えて違ったカットで挑戦してみようということになった。

曲の完成を早めるため、取り組みを急がなくてはいけないが、ま、何とかなるだろう。県大会は問答無用で突破しなければ。話し合いが終わったのが午前二時。帰りは大雪、何とか部屋に帰り着く。

お祝いメール

O先生からお祝いのメールが!H先生の連絡先を聞き、自宅、携帯に相次いで電話。携帯でやっとつながった。「フェスティバルでお世話になった…」といったら「ああ、くりちゃんか!」だって(笑)。CDを送っていただく約束も再度しました。

プロコン練習初参加

管弦楽団のプロムナードコンサートの吹奏楽ステージの練習に初参加。しかも今日が最後の練習、ゴメンナサイ。だってアンサンブルの練習が忙しくて…。

管弦楽の人が吹奏楽をやるとこんな感じなんだー、と勝手に納得して帰ってきた。普段から吹奏楽しかやらない人はストリングといっしょに吹く機会がないのが問題なのかな。管弦の友達も言っていたけれど、ストリングとのアンサンブルは音色、音量、ピッチなど気を使うことが多いのですごく勉強になるらしい。そんなわけでアンサンブル能力は吹奏楽団より上だったのでした。うらやましいなー。指揮者の方(茨城大医学部を出て現在は筑波大学の博士課程にいるらしい、すげえ)の奏者に対するアドバイスも非常に無駄のない的確な、音楽的なアドバイスであった。本番が楽しみになる演奏でした。こんなに楽しいなら来年も乗りたいな。

明日はアンサンブルの久々の練習。朝七時集合の練習を三週間ぶっ続けでやると、普段どおりの練習頻度がブランクに感じられてしまうという困ったことになる…いままさにそんな状態なわけで。明日は私のお気に入りやサンジュレ、あとデザンクロの残りの楽章の音だしでもしてみようか。

小出郷吹奏楽フェスティバルの幕前曲とか新歓アンサンブルの曲とか決めないと。あとそろそろ来年のアンサンブル曲も?マウンテンロードの楽譜早く来ーい。

2005/01/25

デザンクロ第3楽章のためのノート

デザンクロ第三楽章のためのノート。いろんな先生から聞いたアドバイスで特に重要だと思われることを載せてあります。明らかな間違いがあったら指摘してください。

・この曲のこの楽章の最大の魅力は、和声感にある。
・あくまでもフランス人が発音するフランス語のように、常にアタックに気をつけて。
・前奏は、「オルガンのように」。和音分析をし、根音と5度を前面にし、バランスの良さを出して。デザンクロはコンセルヴァトワールで和声楽の教授をしていた。息子のフレデリックはオルガン奏者。
・anim.は速すぎず。しっかり楽器を鳴らそうと思えばそんなに速くは吹けないだろう。
・アレグロ・エネルジコ冒頭のテナーの音がなぜかH(実音A)で記譜されている。G#(実音F#)間違い?とは思うものの実際は奏者の裁量でどちらを吹いても良い。Hはソプラノの旋律に対して5度、G#は3度で、G#の方が響きに厚みが出る。傾向として日本人はG#を好み、フランス人はHを好むようだ。私はG#にして吹いています。
・アレグロ・エネルジコのテーマではリズム感(一拍目と二拍目ウラ)を強調し、鋭角的なフレージング感を出すこと。また、ここの速度(四分音符=126)が曲全体のトップスピードである。
・トランクイロはフランス語のヒソヒソ話。静かに。
・トランクイロに二楽章のテーマが回想されるが、二楽章の速度と雰囲気をそのまま引用せず、あくまで三楽章の中ということを忘れずに速度などを決定すること。
・アルトとテナーのデュオの四拍目、「三拍目からのタイ付き三連符」の後ろ二つの音を正確に。日本人がやると四拍目ウラの十六分二つになってしまいます(なんかわかりづらい説明だ)。
・モルト・トランクイロはフランス語のもっと小さなヒソヒソ話。もっともっと静かに。
・Kの2小節前からの強奏部分、三拍目表のウラの十六分音符をしっかり目立たせたい。
・Mの2小節目のテーマの変奏のスラーを取った演奏が多いわけ(知らずに「みんなやってるから」とスラーを取る人が多いが…)。実は、ミュールのサクソフォーン四重奏団による初演に接したデザンクロがコンサート後、ミュールたちに「ここはスラーで書いたが、スラーを取ってスタッカートで演奏した方が良いでしょう」とアドバイスしたためなのだ。へえ。出版譜がスラーなしになっていないということはそのとき既に出版された後だったということだろうか。ちなみに、比較的古い録音であるデファイエ四重奏団とギャルド四重奏団の演奏では、ちゃんとスタッカートで演奏しています。
・最終部、テナーの鬼門:低音域超高速十六分スラーは「気持ちが負けないように」吹きたい。何度このアドバイスに勇気付けられたことか…。
・最後の六連符(最初の音欠け)はラヴェル「ボレロ」の最後の引用です。
たくさん演奏されている曲ですので、誰かのお役に立てれば幸いです。

2005/01/24

使用楽器

自分の使用楽器についてちょっと。一台目はアルトサクソフォーン、セルマーのSerieIII。高校二年生の10月ころに買っていただいたもので、買った直後から吹きこなすのにかなり苦労している。実はもともとアルトはかなり苦手…そんなわけで貸すことのほうが多い(勿体ないなあ)。高校で後輩がアンサンブルでリヴィエをやったときとか、吹奏楽団の先輩に貸したりとか、稼動させてはいるのだが。アルトを吹くときに使っているリガチュアはRovnerのEddie Daniels IIモデル。個人的に超オススメのもので、深い響きを楽に出したいという方は試してみたらいいかも。

二台目はテナーサクソフォーン、セルマーのReference54。高校三年生に上がるお祝いに買っていただいたもの。アンティークサテンの楽器で、どこに持ち込んでも注目していただけるのがうれしい。買いたてはピッチを安定させるのに苦労したが大学二年の初めころからようやく落ち着いてきた。基本的に180 - 3かC* - 3.5のセッティングで使う。リガチュアはBAY。限界を感じさせない楽器で、ジャズでもクラシックでも奏法に素直に反応してくれる。吹奏楽、アンサンブルでのメイン楽器。設計ベースがSerie3のためか、息の入れ方によっては音がずいぶん遠くまで通るので、ソロをとるのもらくらく。

どちらの楽器も、大切に使っていきたいです(なんと安易なまとめ方…)。

東関東の思い出

昨日の東関東大会の感想を少し。出発前に練習場所でBAYリガチュアを失くして焦った。見つかったけど。支部大会というものに参加すること自体初めてで、会場に到着したときから物々しい雰囲気に圧倒されっぱなしだった。到着を遅くしたため、一般はほとんど聴けなかったのだがたまたまロビーでビデオを上映しており、ロッチウィンドとフロートサクソフォーンアンサンブルの演奏を耳にすることが出来た。ロッチのベルノー四楽章の超絶演奏とかフロートのメンデルスゾーン(おおっ、編曲は康英先生だ)の昇華された音楽とか、さすがに支部大会は違うなあと素直に思った。フロートのThunderさんらしき方もロビーでちょっと見かけたぞ(頑張って話しかけようと思ったけどさすがに勇気がなかったです…)。

演奏は、4人ともが気持ちよく吹ききることができたようで。私なんかは序奏部分で手が震えてたけど、アレグロ以降は順調だったのでまあ良し。テナー吹きなら誰でも苦労するフィナーレの低音域16部音符もきっちり決まった、っけ。よく覚えてないな。表彰式。金賞、東関東代表!おお!

代表になれたのも嬉しかったし、いろんな方に喜んでもらえたのも嬉しかった。SさんとかKさんには祝勝会でずいぶんおごってもらいました。お忙しい中練習に付き合っていただいた、特にM先生、他いろんな方々に感謝いたします。

代表獲得!

東関東代表に選ばれて全国に推薦された。「行きたい!」とは思っていたけどまさか本当に行くことになるとは!!頑張ってこよう。いろんな人からの祝福メールがとても嬉しかった…。特にM先生から頂いた言葉、本当に嬉しかった…。

夜も遅いしとりあえずゆっくり休もっと。

2005/01/23

デファイエのこと少し

そろそろデファイエ四重奏団のデザンクロの演奏が終わりそうだ。デファイエの生の演奏に触れたことがない私としては彼の音を想像で終わらせるしかないのだが、じかに彼の音に触れたことがある、とある著名なプロサクソフォーン奏者H氏の言葉が忘れられない。

その方は学生時代に1974年ボルドーでの世界サクソフォーンコングレスに出掛けて行き、そこで本場の音に触れたことがあるそうだ(この時、有名なベルノーの「ソプラノとバリトンのためのソナタ」が初演されている)。曰く、「デファイエの音は今では録音でしか聴けないが、あんなもんだとは思っちゃいけない。俺たちは生でその音を聴いたことがあるからそう言えるんだ。まるで100km先まで全く曇りなく見通せる水晶のような音だったんだ」と。

しかしさらにデファイエ自身もこう語っているらしい。「私の音なんかよりもミュール先生の音のほうが100倍も透きとおった音だった…。」

2005/01/22

New Art Saxophone QuartetのWebページ

new art saxophone quartetのWebページ(http://www.new-art-sax.com/)で今まで発売されたCDの音源が全曲128kbpsの音質でダウンロードできる!ドイツ語のページで左のメニューから「DIE HORBAR」を選ぶと、リストが出ます。私も早速、持っていない「Songs and Dances」と「Guarda!」をダウンロード。

今までサクソフォーンの発展が目覚しくなかったドイツで注目すべき団体であり、その上手さには舌を巻くばかり。アルバム「Tempesta」においてはなんと弦楽四重奏曲を集めて披露していますが、サクソフォーンの楽器の制約を微塵も感じさせずに聴き手を音楽に委ねさせてくれる。「Primavera」や「Songs and Dances」(いちおし!)もすばらしい!「Guarda!」はまだあまり聴いていませんがなかなか面白そうだなー。

同じような試みは他のサクソフォーン四重奏団のページでも行われているが、ここまで太っ腹なのは他に見たことがない…。

あえてあげれば4uatreのページ(ごく最近リニューアル。しかしデザインセンスは相変わらず→http://4uatre.free.fr/)か?音質は悪いが様々な録音の全曲版を聴くことができる。

雲井雅人「Saxophone meets Shubert」

伊藤康英先生に前々からご紹介を頂いていた「Saxophone meets Shubert」を2004/12/22のサクソフォーンフェスティバルで発見。会場で雲井さんと康英先生を見つけてサインをいただきました。ラッキー。(フェスティバルの話はまたどこかに。とても充実したものだった)。康英先生は須川さんの演奏を聴きに来てたらしい。

1曲目、アルペジォーネ・ソナタは一昨年の栃尾さんのリサイタルでのバリトンサクソフォーンによる超名演の印象が強く、栃尾さん以外の演奏はどうもあまり進んで聴くことができない。

2曲目、シューベルト「冬の歌」全25曲を布施雅也のナレーション&歌、康英先生のピアノ、雲井雅人のサクソフォーンで。本当に、素敵な演奏。ふだん奏される「冬の旅」と違って独自の解釈にてまとめられているが、布施雅也のナレーションはまさにハマリ役。圧倒的な存在感。康英先生が弾くベーゼンドルファーの弱奏におけるタッチの美しさ、雲井雅人の美音(康英先生のピアノと本当にマッチします)。恥ずかしながら「冬の旅」に触れるのは初めてなのだが、そのほうが違和感なく聴くことができるのだろうか?原曲を知っている人が聴くとどういった印象を受けるのだろう…。

John Harle「Sax Drive」

ジョン・ハールのアルバム「エレジー~スタン・ゲッツに捧ぐ」のライナーノーツに載ってた文。

「木管楽器と金管楽器を無理やり結婚させるという、どこか悪魔的なたくらみとさえいいたくなるこの楽器がすら感じさせるこの楽器が…」。

へえ、なるほどそういう言い回しは初めて。ふつうは「木管楽器の音色と金管楽器の豊かな音量を併せ持ち両者間の音のブレンドを目指して開発された」とかだもんね。新鮮だな。「悪魔的」ですかい。

しかしハールは巧いな。ハールをサクソフォーン奏者として好きという人に、まだ一度も会ったことがないのだけど私はかなり好きだな。もしかして技巧レベルは世界で3本の指に入るくらいじゃないか?イベールの超々ハイトーンカデンツァとか(イベールのカデンツァと言えばブランフォード・マルサリスのも凄いよなあ…いかん話がズレた)「野兎狩り」での即興演奏対決とか、私の中ではなんかやたらとスーパーマンなイメージが強い。いくら難しいことやっても全く音色が変わらないことにえらく驚き。このアルバムでも名人芸全開。

今年初めに某中古CDショップの通販で手に入れたのだが、「見本品」の文字が…い、いいのか?貸与管理番号までついてるし。

明日は東関東大会

明日は東関東大会だが、風邪をこじらせてサークルのほうは早々に切り上げ帰ってきた。アンサンブルは今日の合わせでほぼ最後となるが、今日やった最後の通しではいい演奏ができた。「自分たちの音楽を」を心に留めて吹いてきます。

そういやもうデザンクロに取り組み始めてから4ヶ月も経つことになるが、いまさらながら最初に作った参考音源集に耳を通す。東京サクソフォーンソロイスツ、オーレリア四重奏団、アレクサンドル四重奏団、トルヴェールクヮルテット(旧録音)、デファイエ四重奏団。大好きな演奏を集めてある。

…おお、たったいまM先生から応援のメールが!「自分たちの良いところを聴いてもらえるような演奏を」とのこと。頑張ります!

2005/01/21

デファイエQのLP録音

デファイエ四重奏団のリュエフ、ティスネ、パスカルの録音。リュエフの冒頭、一発目のバリトンの音を聴くことは長年の夢だったけれど、ああ、こんなにも豊潤な音色だとは…。まさに世界最高のバリトンの音と呼ぶにふさわしい。デファイエ四重奏団の録音を初めて聴いたときから、一番好きなバリトンサクソフォン奏者はジャン・ルデュー。OpusやPolymnieから出ているルデュー四重奏団のCDでも驚異的な音楽を聴かせてくれる(Opusへの吹き込みはルデュー氏が64歳の時、Polymnieに至ってはなんと73歳のときの録音!)。

よく取り出して聴くのはパスカル。フランスのエスプリがしっかり効いた素敵な演奏。1797年版のアントワーヌ・リヴァロル著「新フランス語辞典趣意書」において、「エスプリ」とは「速やかに見てとり、キラリと光ってみせ、打ち勝っていく能力」と説明されているが、まさにそんな感じであります。個人的に好きな第4楽章、随所に散る火花は私を魅了してやまない。

そしてこちらも感激!!ずっと聴きたかった、デファイエ四重奏団の小品集。録音は来日時にこまばエミナースにて。一曲目は「G線上のアリア」。個人的に知ってるプロのトランペット奏者の方が、エアチェックしながら最初の音色を聴いて「フルートの音色みたい」と思ったらしいが、あながち言っていることが分からないでもない気がする。曲の最後がffで終わるのは今となっては伝説であるらしいですな。フルモーサクソフォン四重奏団が2002年の来日の際に同じアレンジと解釈で演奏をし、話題になったとかならないとか。

この小品集の録音のキモはスカルラッティの「3つの小品」だろう。EMI Franceに遺された録音(ピエルネ、デザンクロ、リヴィエ、シュミット)を聴く限り、もっと(いい意味で)じゃじゃ馬な演奏を期待していたのだが、意外と統制感が漂い、さらに強烈な個々のテクニックと美しい音色が音楽としての価値を高ている。個人的には第1楽章「プレスト・ジョコーソ」のドライヴ感が大好き。